谷口ゼミ

谷口友梨ゼミ(心理系)

(1)関心領域

 日常生活において、私たちの身の回りには様々な事柄が起こります。例えば、大学やサークルで友人と交流する際に起こる身近な出来事や、日本や世界を震撼させるような事件や震災など、直接的、間接的に様々な事態に遭遇します。そして、そのような出来事には人が関与しており、人の心理が働いています。このような事態に対し、人はどのように認識し、判断しているのかといった「社会的認知」に関心があります。特に、「対人認知」に興味関心があり、(1) 人は他者の行動をどのように無意識あるいは意識的に認知しているのか、(2) 対人認知事象は、他者に対してとる行動にどのように作用するのか、といったことについて研究を行っています。

(2)ゼミの進め方

 本ゼミでは、日常生活場面で遭遇する様々な事態に、人の心理がどのように働いているのかを科学的に解き明かす力を身につけることをめざします。3回生では、ゼミ生の興味・関心に基づいて文献を読み、社会心理学の考え方や研究方法を学んでいきます。その後、読んだ文献から生じた疑問を個人またはグループで実験または調査を行い、検証することで、社会心理学の研究の仕方を体験的に習得します。

(3)卒業論文

3回生の後期からは、卒業論文で取り組みたい具体的なテーマと問いの設定を目指し、文献を精読し、ゼミ生同士で議論を重ねながら、リサーチクエスチョンを立てます。リサーチクエスチョンに基づいて、実験や調査の計画を立て、データを収集・分析し(主に量的データの統計分析)、心の仕組みについて考えていきながら、卒業論文の完成をめざしていきます。

(4)これまでの卒業論文例

 これまでに指導してきたテーマは以下の通りです(他大学での指導内容です)。基本的に社会心理学の枠組みに基づく内容であれば、本ゼミで取り組むことは可能です。

  • 若者が流行を取り入れるのはなぜか
  • 新型コロナウイルス感染者に対する偏見とステレオタイプ抑制
  • 親の養育態度と大学生の学業モチベーション:現在の自分と将来の自分との乖離に着目して
  • SNSでなぜ誹謗中傷が起きるのか
  • 埋没コストと関係満足度の関係:愛着スタイルに着目して
  • 大学生の韓国への興味・関心とインターネット利用の関係性
  • 承認欲求がSNSでの拡散行動に及ぼす影響
  • 加害者家族に対する連合スティグマの生起に関する研究
  • 男女の発話速度とジェンダー・ステレオタイプが印象形成に及ぼす影響
  • 利他的な嘘が対人コミュニケーションにもたらす利益
  • 現代の否定的結婚観が生じる要因の検討

(5)面談の申し込み先

 まずはメールにてご連絡ください。 メールアドレス:taniguchi.yu★shc.usp.ac.jp(★を@に変更してください)