環境生態学科
自然環境を総合的に理解するための幅広い基礎知識を学びます。これらの知識を基にして、環境問題を解決するための応用力を身につけた環境科学のエキスパートを育てます。化学分析や生物種の同定、あるいは地形の読み取りなど、自然環境を知るためのさなざまな測定・分析技術を学ぶことができます。豊富な野外実習・実験が用意されており、さまざまな環境調査・分析方法を習得することができます。
学びのポイント
環境問題を解析し、それを解決する能力を養うためには、幅広い知識と実践的な応用力が必要です。本学科では、幅広い分野の教員が少人数制の先鋭的な授業を展開しており、学生は多くの野外実習を通し、滋賀県の恵まれた自然環境から多くのことを学びとることができます。調査や測定、データ分析など、環境調査への即戦力としての実力を4年間でしっかりと身につけます。
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ポイント1
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豊富な野外実習による実践的教育の充実
野外調査を行うためのさまざまなノウハウを、豊富な野外実習・実験を通して学び取ることができます。
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ポイント2
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分析技術の習得
化学分析や生物種の同定、地形の読み取りなど、自然環境を知るために欠かせない測定・分析技術を学びます。
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ポイント3
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自然科学の多様な分野に関する知識を習得
化学や物理学といった特定の学問領域に縛られることなく、自然科学の全ての分野について学ぶことができます。
学びのステップ
1年次 環境科学の基礎を学ぶ
基礎科目に加えて、環境フィールドワークIや環境科学概論で環境問題の発見と解決のための基礎を学びます。
専門科目の例 | 環境フィールドワークI、環境科学概論I・II、琵琶湖環境学、環境変遷学、環境生態学基礎演習 |
2年次~3年次前期 環境科学の実践的方法論を修得する
環境フィールドワークIIでは、より専⾨的に環境問題を考えます。そして、それを解析するために陸域環境保全や⽔域環境保全などに関するさまざまな専⾨科⽬を学びます。
専門科目の例 | 環境フィールドワークII、森林環境学、環境地下水学、海洋環境学、湖沼環境学、大気環境学 ほか |
3年次後期~4年 卒業研究で4年間の集大成
3年次後期の環境生態学特別実習は、卒業研究の準備段階です。4年次では、これまでに育んだ問題意識に立って、卒業研究を行います。
専門科目の例 | 水域生態系保全修復論、環境生態学特別実習、環境毒性学、陸域物質循環論 |
専門科目の例
環境学野外実習

夏季休業期間を利用し、自然環境や生態系研究における典型的な場所に直接赴き、合宿生活を送りながらそれぞれのコースのテーマに関する野外実習を行います。
地球科学実験

歩測や地理情報の取得、水質調査、河川流量の測定など、地球環境の実態を把握する測定・解析法を習得し、岩石・化石の観察を通じて地球環境変遷史を復元する基礎的能力を習得します。
研究分野
- 陸圏生態
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陸上の生態系におけるさまざまな動植物や、里山など自然と人との関わりに関する研究
陸上には原生林、里山、水田や畑、湿地、水陸移行帯などさまざまな生態系が広がっています。本研究分野では、これらの生態系において、哺乳類、鳥、昆虫、樹木、草本、微生物などを研究対象とし、鳥獣害、希少種の保全、外来種、土壌からの温室効果ガスの放出、ナラ枯れ、生態系の劣化などの問題解決を目指して研究を行っています。
また、焼畑による里山保全のように、人と自然の関わりの中で長い間維持されてきた身近な自然環境を、将来にわたって安定的に保全するための研究も行っています。西田 隆義 教授野間 直彦 准教授吉山 浩平 准教授籠谷 泰行 講師
- 水圏生態
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水圏生態系における生物の動態および物質循環に関する研究
本研究分野では、湖沼、河川および海洋などの水圏生態系における微生物や魚類、底生生物などの動態を調べるとともに、それらが人為的富栄養化や地球温暖化などの環境変動に対して、どのように応答しているのか明らかにすることを研究目標の一つにしています。
他方では、炭素・窒素・リンなど主要生元素、鉄やヒ素などの微量必須元素、あるいはさまざまな天然有機化合物の水圏における分布構造および相互関係について、生物地球化学的観点から研究しています。
湖沼、河川、海洋における調査・観測から得られた実際のデータだけでなく、室内実験による検証結果も考慮し、総合的に解析することによって、水圏生態系のダイナミズムを地域的視点と地球的視点の双方から解明することを目指しています。伴 修平 教授
丸尾 雅啓 教授
浦部 美佐子 教授後藤 直成 准教授
細井 祥子 准教授
- 生物圏環境
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自然環境の成立過程や環境中における化学物質の動態・影響評価に関する研究
本研究分野では、大気環境・陸域環境・水域環境において種々の観測を行うことで、琵琶湖等の自然環境の成立過程、湖沼の人為的な富栄養化が自然や人の健康に与える影響等を明らかにすることを目標に研究を行っています。
具体的には硝酸などの大気汚染物質の測定、森林・農地における窒素やリンなどの動態や微生物活性の調査、琵琶湖やその他湖沼・河川・地下水における水位・水温・水質の測定、それらと地形・地質構造・地殻変動との相互関係の分析を行っています。
人工化学物質および天然物質がもつ毒性作用とその影響についても調べています。また、自然環境の成立過程や環境汚染の歴史を解明するため、堆積物中の微粒子・微化石なども解析しています。小泉 尚嗣 教授堂満 華子 准教授肥田 嘉文 講師尾坂 兼一 講師工藤 慎治 講師
TEACHER'S VOICE
環境生態学科では、琵琶湖の環境成立過程、外来種問題、地球温暖化が生態系に及ぼす影響等、様々な環境に関する課題を解決するための基礎・応用研究を行っています。学生は4年間の学習を通して、これらの課題解決のための基礎学力と応用力を身につけることができます。
環境科学部 環境生態学科長
伴 修平 教授
CAMPUS LIFE
STUDENT'S VOICE
環境科学部 環境生態学科
4回生
吉岡 拓海さん
(東京都 私立錦城高等学校出身)
一日のスケジュール(例)
8時30分 | 通学 |
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9時00分 | 【1限】 大気環境学 |
10時40分 | 【2限】 英語 |
12時10分 | 昼休み |
13時10分 | 【3限】集水域環境学・同実験 |
14時50分 | 【4限】 〃 |
16時30分 | 【5限】 〃 |
18時00分 | 課外活動(部活) |
資格・キャリア
取得可能な資格一覧
・教員免許〈中学校教諭(理科)/高等学校教諭(理科)〉
・学芸員資格
・自然再生士補資格
・甲種危険物取扱者試験受験資格
・社会福祉主事任用資格
※すべての資格は、大学が定める所定の科目を履修し、単位を修得する必要があります。
主な進路(2018~2020年度)
就職先 |
栗田エンジニアリング(株)、(株)長大、東海旅客鉄道(株)、 大阪国税局、農林水産省林野庁、滋賀県庁 など |
進学先 | 大阪府立大学大学院、京都大学大学院、北海道大学大学院 など |