環境意匠研究部門

環境意匠研究部門は、建築意匠学分野と、ランドスケープ意匠学分野、建築計画学分野、地域計画分野の4つの分野に分けられる。しかし、これらの分野は相互に深く関わっており、教員はそれぞれ相互に交流し、総合的な教育効果をめざす。

研究領域 専門分野 担当教員 職名 研究内容
デザイン 建築デザイン 芦澤 竜一 教授 現代社会において、光、風、水、熱などの自然の力をいかに建築環境の中で活かすかを研究し、今後目指すべきサスティナブル社会における建築の新たな可能性を追求する。素材や技術を分析し、地域性を表す建築のデザイン方法論を研究する。都市や地域の性質を多角的に分析し、建築の新たな可能性を探求する。
ランドスケープデザイン 村上 修一 教授 サイトや地域に内在する可能性を抽出し、新たな空間を創出するランドスケープ・デザインの手法を研究する。また、歴史上の庭園や近代のオープンスペースなど国内外の空間事例を対象に、背景思想、空間理論、技術、諸芸術との相関性について研究を行う。さらに、諸活動の受容性という視点からオープンスペースを調査し、人との多様な関わりをもつ空間形態を探求する
環境建築デザイン 西澤 俊理 准教授 琵琶湖集水域と東南アジアを主なフィールドとする。産業革命以降の建築や都市が見落とした人間の具体的な身体、その周囲をとりまく風土や生態の系、そして互いの応答と生成変化の様相を観察し、それらの間で建築が果たす役割や可能性について、人類学や生態学、農学、哲学、芸術など、多くの学知に学びながら考察する。地球史の中で、人類を含め全ての生物・無生物はただ同居してきたのではなく、積極的に周囲に干渉し、同時に自らの身体や知覚を変化させることも厭わずに、互いに世界を形づくり彩り合いながら生命を繋いできた。そして建築とは、人類が他者を脅威として排除するのではなく、むしろ他者のより深淵な側面を垣間見せ、互いを関係づけるための知性である。近世以前の暮らしでは広く接続できていた多様な系に再び、建築が接続するための方法論を探究する。
歴史・理論 建築空間デザイン・理論 未定
建築史・建築論 高屋 麻里子 講師 日本の都市と建築の歴史を、文献史料・考古学的発掘史料・絵画史料などを対象として明らかにすることを試みている。主に近世以前の現存しない建築や都市について3D-CGを用いた表現やGISによる現状地形との比較などの手法を用いて復元的に考察を行う。中世から土蔵の成立過程と城郭にみる都市形成をテーマとしている。
建築空間・意匠論 迫田 正美 講師 建築空間を認識論(イメージ形成)と制作論(イメージ表現)の両面から研究する<建築空間論>。建築や都市のデザインについての歴史と理論を作家論・作品論を通じて探求する<デザイン思潮>。各時代・地域に固有の環境イメージとしての風景を生活像の表現として読解し、景観デザインの方法論を探求する<風景論>などを研究領域とする。
計画 都市空間デザイン・都市建築史 ヒメネス・ベルデホ
ホアン・ラモン
准教授 人間は長い歴史の中で様々な環境デザインの都市空間を形成してきた。都市空間の起源・変容・転成・保全に関する調査、研究を行う。主に、ラテンアメリカ・東南アジア地域のスペイン植民都市の調査、研究を通して、都市と環境の関係、建物と都市の関係を考察し、都市・地域再生のデザインの為に役立てる。
都市計画史・建築計画 川井 操 准教授 近代日本の建築界において、常にモデルとされ、参照されてきたのは西欧の建築である。日本の近代建築史は、英国からやってきた弱冠25歳のJ.コンドルの教えに始まる。西欧の近代建築技術の取得が日本の建築家にとっての第一の課題であった。近代建築の展開は日本のみならず世界中で大きな影響力をもった。しかし、そのあり方について疑問、批判が提出され始めて、既に久しい。地域には地域の建築文化の伝統があり、そのあり方が一方で見直されてきたのである。これまであまり関心を払われてこなかったアジア(非西欧世界)の都市建築について研究をおこなう。
都市計画 轟 慎一 准教授 都市計画、建築・居住空間論、地域環境デザイン、集落論、景観論、建築・都市政策、総合政策、生活空間計画、都市デザインの分野における都市・集落・建築の空間・生活・コミュニティ・環境の構造と、その計画・デザイン・まちづくりについて探求する。具体的には、生活行為・コミュニティと生活空間・居住環境の関係性、生活史・生業史と空間構造、地域環境と生活景、景観の保全・活用、地域共生とまちづくり、都市計画システムと事業展開、人口減少時代の都市・地方と少子高齢社会、定住環境としての中心市街地・歴史的街区・集合住宅・郊外住宅地・農山漁村、地域居住と持続・再生などをテーマとしている。
エンジニアリング 建築構造デザイン 陶器 浩一 教授 素材の特性とそれを活かした空間創造の手法について分析し、"空間をかたちづける"という視点から建築のありようについて研究する。技術の進歩による建築空間の可能性及び新たなる環境的課題を分析し、持続可能な社会構築のために技術の果たす役割について研究する。
建築構造 高田 豊文 教授 力学的に合理的で安全・安心な建築物の実現を目指して、建築構造工学に関する解析的・実験的研究を行う。具体的には、構造解析学や動力学などを習得し、これらの知識をふまえて、最適化技術を構造設計に応用した最適構造設計・構造形態創生に関する研究、既存木造住宅の耐震性能に関する調査・実験的研究、構造物の地震応答性状や耐震性向上のための解析的研究などを行う。
構造システム 永井 拓生 講師 連続体力学を基礎とした解析理論により、さまざまな素材の建築構造材料としての可能性を追求する。また、数値解析を利用した構造最適化、振動制御、非構造材の耐震性評価などの研究を行う。
建築環境デザイン 未定
居住環境工学 鄭 新源 講師 人間が主体となる建築環境づくりに目標をおいて、居住空間に関わる光・音・熱・空気などの物理環境要素と人間との関係を明らかにする研究を行う。原論的レベルでは、実験等による心理評価・行動と環境刺激・居住環境刺激・居住環境情報との関係を構造化する研究から、応用的レベルでは実測調査等による住宅の温熱快適性、オフィスの知的生産性、学校の学習効率等 の実使用空間の環境評価までを行う。