生物資源管理学科

生物生産の基盤である土や水の環境、生物資源そのものである植物(作物)、動物、微生物を熟知し、生物機能を活用した物質生産と環境改善により、環境問題の解決と持続可能な社会の実現を目指します。このため、生物資源と生物機能を有効に活用し、さまざまな自然環境問題と対峙し解決に向けて行動できる人材を育てます。環境の世紀である21世紀の世界課題や社会問題と向き合い、学びを深めます。

人材の養成に関する目的 アドミッションポリシー カリキュラムポリシー ディプロマポリシー

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学びのポイント

地球温暖化やエネルギー資源の枯渇、100億人の地球人口を支える食糧の確保など、21世紀は環境の世紀といわれます。こうした環境課題の解決につながる一つのキーワードが「生物資源」です。生物資源の生産を最適な条件で行い、環境への影響を最少化するには、土と水をめぐる環境や生物資源そのものである動植物や微生物を熟知し、適切に生産・管理する技術とシステムが必要です。本学科では、こうした21世紀の課題に応える知識と知恵を備えた人材の育成を目指しています。

  • ポイント1

  • 基本概念の習得

    環境科学概論や生物資源管理学概論、環境フィールドワークI~IIIにより、環境問題を総合的に把握できる能力を養います。

  • ポイント2

  • 履修モデルコースによる系統的な学習

    生物機能利用コース、環境農学コースの2つの履修コースにより、興味のある専門分野を系統的に学びます。

  • ポイント3

  • 実践的な分析技術の習得

    遺伝子工学実験や動物資源管理実験、土壌・水質分析実験など10の実験・実習コースにより、即戦力としての実力を育成します。

学びのステップ

1年次~2年次前期 基盤教育

語学、情報、人間学、体育などの環境を学ぶ上で必要な基礎科学を身につけ、フィールドワークや環境科学概論、生物資源管理学概論などにより環境問題の基本概念を学びます。

2年次~3年次前期 基礎教育

環境問題の理解に必要な生物、物理、化学、地学、経済学から、専門基礎である遺伝、微生物、作物、土壌、水質、水資源、農業経済に関する授業を選択します。また実践技術を習得するため、遺伝子工学、微生物・菌類、動物資源管理、土壌・水質、測量など10の実験・実習が開設され、フィールドワークで興味のある研究テーマに取り組みます。

2年次後期~3年次 応用・展開的教育

志望に応じ、2つの履修モデルコースに従った授業の選択が推奨されます。専門的な学問知識を習得し、環境問題を解決するプロを目指します。

4年次 総合的教育

担当教員の指導の下、研究テーマの設定から調査、実験、分析まで全て自分で進め、卒業論文にまとめます。

専門科目の例

生物資源管理学実験・実習Ⅰ

室内または圃場での実験を通して、栽培植物の栽培に関する研究遂行に必要な実験計画法や栽培方法、観察・測定・記録・データ解析法などの基礎技術を学びます。

生物資源管理学実験・実習Ⅹ

基準点測量や距離測量、 角測量および水準測量の個別的な実習を行うとともに、各測量における誤差の処理方法を習得します。

研究分野

植物グループ

植物を研究素材とする、生産管理、機能解析およびその利用

5研究室から成り、それぞれ、(1)作物の生産性向上を目的とした栽培技術の開発と評価、(2)植物の重金属集積機構の解明とその有効利用法の開発、(3)高い観賞性と環境ストレス耐性をもつ花卉の開発、(4)低肥料栽培可能なイネ開発用の遺伝子研究、(5)高付加価値・低環境負荷型の野菜生産研究、に取り組んでいます。

泉 泰弘 教授

原田 英美子 教授

上町 達也 准教授

清水 顕史 准教授

畑 直樹 講師

環境化学・土壌学グループ

化学を基礎とした土・水環境における物質動態の研究と応用

化学的手法を用いて、微量化学物質や土壌有機物の環境中での動態を研究しています。具体的には、農地に散布された農薬の河川や琵琶湖への流出メカニズムと流出を制御するための研究をはじめ、地球温暖化に深く関与する土壌有機物の安定化メカニズムに関する研究などを行っています。

須戸 幹 教授
飯村 康夫 講師

動物・魚類・昆虫グループ

水産学・動物生態学・畜産学の研究と応用

【水産】琵琶湖の水産資源の増殖と養殖を目指して、様々な技術開発とプロフェッショナルの育成を行ないます。
【生態】野外での昆虫や植物などの関係を進化と生態学の視点から解明し、農業生産や生態系保全への貢献を目指します。
【畜産】未利用バイオマスの特性を活かした家畜飼養技術を開発し、環境に配慮した家畜生産を目指します。

杉浦 省三 教授
高倉 耕一 教授
中川 敏法 講師

農業土木グループ

農村・自然環境の基盤整備

農業生産の基盤整備とともに自然環境と調和した持続的な農業を実現するために水・土・大気・生物やその相互関係を研究します。主なテーマは、農業水利施設の水利用機能診断や水田生態系の保全、琵琶湖や河川の水質保全対策手法調査、乾燥地での灌漑技術開発や塩類土壌の植物による改善技術、土壌物理化学性を生かした雑草対策・農地改善技術などです。


岩間 憲治 准教授
皆川 明子 准教授
松田 壮顕 講師

微生物グループ

植物との寄生、共生および腐生に関わる微生物機能の解析と利用

環境と調和した持続的農業を成立させるための植物病原菌の制御や拮抗微生物の利用に重点を置いた植物病害管理技術に関する研究、植物と病原菌あるいは共生菌をめぐる生物間相互作用(病原性メカニズム、共生メカニズム)に関する遺伝学的研究および白色腐朽菌(木質を腐らせる担子菌門きのこのグループ)の木質リグニン分解機構と産業への応用に関する研究を進めています。

入江 俊一 教授
泉津 弘佑 准教授
住田 卓也 講師

生物資源経済グループ

農業生産と地域資源管理を経済的視点から分析

農業経営の法人化や集落営農の組織化、新規就農、農産物流通における地産地消や第6次産業化、農業協同組合や生活協同組合などの協同組合、環境こだわり農業などの環境保全型農業、農地・水・環境などの地域資源とそれらに関わる農山村をターゲットに研究を行っています。

増田 清敬 准教授
加藤 恵里 講師

TEACHER'S VOICE

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生物資源管理学科では、持続可能な農林水産業資源の生産と利用を課題として研究を行っています。植物、遺伝、微生物、水産、畜産、土木、化学、農業経済など幅広い分野を学び、環境に優しい生産技術の検討、産地から消費までに発生する諸問題の解決、未利用バイオマスから新資源の開発などに取り組む力を身につけることができます。

環境科学部 生物資源管理学科長
高倉 耕一 教授

CAMPUS LIFE

STUDENT'S VOICE

環境科学部 生物資源管理学科
4回生
河津 祐吾さん
(大阪府立豊中高等学校 出身)

一日のスケジュール(例)

8時30分 通学
9時00分 【1限】動物資源管理学
10時40分 【2限】魚類学
12時10分 昼休み
13時10分 【3限】生物資源管理学実験・実習II
14時50分 【4限】生物資源管理学実験・実習II
16時30分 【5限】分子生物学
18時00分 課外活動(部活)

資格・キャリア

取得可能な資格一覧

  • 教員免許〈中学校教諭一種(理科)、高等学校教諭一種(理科・農業)〉
  • 甲種危険物取扱者受験資格
  • 社会福祉主事任用資格

※資格の取得には、大学が定める所定の科目の履修と単位修得が求められます。

主な進路 (2021~2023年度)

就職先 綾羽(株)、キユーピー醸造(株)、京都市農業(協組)、京都中央信用金庫、シンプレクス・ホールディングス(株)、全国(農協連)滋賀県本部、タキイ種苗(株)(株)ニチレイフーズ、国土交通省、農林水産省、滋賀県 など
進学先 滋賀県立大学大学院、京都大学大学院、大阪公立大学大学院、奈良先端科学技術大学院大学、兵庫県立大学大学院 など