教員紹介 山本薫 YAMAMOTO Kaoru
研究室 A1-104
私はこんな講義を担当します
英米文学講読、英米文学概論、欧米文化論C(イギリス文化)、欧米文化特論C(ヨーロッパの現代思想)等、英文学特論 (大学院)
私はこんなことに関心を持って研究しています
映画『地獄の黙示録』の原作『闇の奥』の作者である英国の小説家ジョウゼフ・コンラッド(1857-1924 ウクライナ生まれのポーランド人で仏を経由して渡英)の作品は伝統的に海洋冒険小説や心理小説として読まれてきましたが、ヨーロッパの現代思想の知見をてがかりにして、「英文学」の枠を超えたコンラッド作品の新しい解釈を試みています。例えば、長く忘れ去られていたコンラッド晩年の歴史小説を現代ヨーロッパの思想の新しい「共同体」や「歓待(hospitality)」(=他者の受け入れの問題)という観点から読み直し再評価しました。その研究成果 Rethinking Joseph Conrad's Concepts of Community は『ハリー・ポッター』で知られる英国の出版社ブルームズベリー社から2017年に出版され、英国オックスフォード大学出版局の学術誌English誌、米『ポーランド・レビュー』誌その他学術誌上にて好意的な書評が掲載されています。最近は、翻訳にも取り組んでいます。その一環でコンラッド晩年の歴史小説The Rover(1923)を日本語に訳しました。
私のゼミ・研究室ではこんなことが勉強できます
これまでのゼミ生は、19世紀から20世紀の作家、たとえばイギリスではジェイン・オースティン、アメリカ南部の作家フラナリー・オコナー、アイルランドのジェイムズ・ジョイス、夏目漱石、宮沢賢治等の作品で卒論を書きました。現在ゼミでは、主に『ハリー・ポッター』等の海外小説の翻訳を英語原文と照らし合わせながら分析しています。基本的に英語に訳されていれば(日本を含む)どの文化圏の作家も取り上げます。
みなさんへのメッセージ
人間文化論Aという授業でもお話ししているのですが、「ことばは単なる知識の伝達の道具ではなく、人間の考え方・思考・認識と密接に関係する」ので、英語はもちろんですが、まず日本語でもよいので、学生の間にたくさん本を読んでください。