中国留学レポート

国際コミュニケーション学科  加藤 千尋さん

中国 海南大学

 海南大学での10か月の留学期間の最後の一か月が遂に来てしまいました。海南島という地に降り立った時、言語や文化、環境の差に慣れず一日一日がとても長く感じられましたが、日に日に中国語も上達し友達も増え充実した日々を送ることができ、最後の一か月は毎日時間が足りないくらい、ものすごい速さで過ぎていきました。

 今回のレポートでは、私が中国という国での10か月間の留学を通して感じたことを書きます。

 まず一つ目は、なんといっても中国の凄まじい速さで進む近代化です。私が留学する前にもメディアを通して中国の近代化がすごいというのは聞いたことがありましたが、正直あまり信じられなく、日本のほうが中国より進んでいるはずだと思っていました。しかし実際に中国で生活し、人々の生活の中に様々な日本で見たこともないような便利なITシステムが普及していることを知りました。例えば、チャットアプリの'微信'や支払いアプリ'支付宝'などの電子マネー、出前アプリの'美团外卖'、どこでも乗れて乗り捨て可能な自転車と自動車'共享单车'、'共享汽车'などです。日本にもこれらは存在しているらしいですが普及しているとは言えません、一方中国国内では子供からお年寄りまで皆日常生活の中で利用しています。決して大都市と言えない海南島でもこういった日本よりはるかに進んだ技術が見られるので上海や北京などの大都市ではどうなのだろうと驚かされます。また、海南島も今年4月に開催されたアジアフォーラムにて自由貿易都市として開発すると宣言されたので、もしかしたら海南島も近い将来香港やマカオのような世界でもトップクラスの大都市になるのかもしれません。

 二つ目は、中国人へのイメージの変化です。私は、中国に来てから使い始めたチャットアプリの連絡先の数が200人を超えるほど、留学中本当にたくさんの中国人とかかわる機会をいただけました。その中で一番感じたことは、中国人は多くの日本人が思い込んでいるように皆が皆、日本人に反抗的であったり、マナーが守れなかったり、冷たかったりするわけでは全くありません。私がかかわってきた人たちのほとんどが私が日本人と知って喜んで仲良くしてくれ、多くの人が日本のアニメやドラマを小さいころから見ていたり、日本語を勉強したことがあったりと日本に興味をもっていました。何度か政治や歴史、日中関係について話し込むこともありましたが、そのたび私の中国人の友達は、「結局は政府同士の問題で、確かに反日の人もいるけども中国人の多くは日本人との友好的な関係を築くことを願っている。歴史は忘れてはいけないけど心に留めておくだけで、今になってわざわざ口に出して日本人を非難する必要はない。」と言っていて、多くの日本人もこういう考えが持てればいいのにと切実に思いました。私も正直なところ留学前は中国人に対するイメージは決して良くはなかったですが、留学中のこういったたくさんの中国人との出会いや、街の中のお店の店員さんやタクシーの運転手さん、清掃のおばさんの日本人の私にも友好的に接してくれる姿を実際に何度も目の当たりにし、自分の中の中国人へのイメージが変わっただけでなく、こんな素敵な人たちがたくさんいるこの国についてもっと知りたいとまで思うようになりました。

 この十か月の留学を通して言語はもちろん、ほかにも上に挙げたように様々な貴重な経験を得ることができました。中国を留学先に選んで本当によかったと思います。また、この留学中支えてくださった先生や両親に心から感謝したいです。留学中出会ったたくさんの親友や思い出を忘れず、得た経験を将来に生かせるよう、今後続けて努力していきたいです。

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