アメリカ留学レポート(坂本さん)

国際コミュニケーション学科 坂本来知さん

ヒューストン大学ヴィクトリア校

 テキサス州は年中暖かいというイメージをもって、ここアメリカのテキサスに来たのですが、夏から秋へと季節が移り、気温ががくんと下がりました。そのせいか、こちらに来て初めて体調を崩し、熱が39度を超えるに至りました。幸い、コロナではなかったのですが2日ほど学校を休むことになってしまったため、今後より一層体調面には気を付けなければいけないなと感じました。風邪をひいたことによって、アメリカに来て初めて、家から大量に持ってきたマスクが役に立ちました。私が留学しているこのビクトリアではほとんどの人がマスクを着けていないので、マスクを着けている自分に違和感がかなりありましたが、留学する前までは、マスクをつけることが当たり前だったことを思い出し、人はその環境に2か月も過ごせば適応するのだなと、人間の適応力に驚きました。コロナが猛威を振るった時期はほとんど同じであるのに、日本とアメリカとでこんなにもマスクの着用率やコロナに対する考え方が違うことに驚きました。(感覚的にですがインフルエンザに対する扱いと同じような感じです。)

 留学に来て、早くも2か月が経過し、髪がだいぶ伸びてきたので、理髪店に行きました。レストランや理髪店に行くときは、料金に加えてチップを払うという文化がアメリカにはあるのですが、どのくらい払えばいいのかチップ文化のない国に暮らしている私にはわかりませんでした。インターネットで調べてみると、理髪店の場合は料金の1020%相当を払えばいいと書いてあったのですが、折角なら現地の人に聞いてみようと思い、同じ授業を取っている人や友達に聞いてみたところ、ほとんどの人が「分からない、自分が満足したら多く払えばいいし、満足しなかったら払わなくてもいい」と答えました。確かに、チップを支払うという行為が義務ではないため、支払う必要はないのですが、聞いた人たちはみんな、自分が支払う場合はチップを払うとも言っていました。私が感じたのは、チップを支払うという行為は自発的な意識(決して義務的なものではない)から生まれており、いわばその人に対する感謝の気持ちを目に見える形で示したものであるということです。彼らのお給料がチップをもらう前提で非常に低く設定されているというのも大きな要因の一つだと思います。チップを払う=感謝を示す+彼らの助けの一部になればいいという慈善意識で成り立っているのではないかと私は考えました。このチップ制度があるからこそ、働いている人たちはまじめに仕事に取り組むので理にかなってはいると思うのですが、同時にすごく資本主義的であるなとも感じました。日本は、非常に接客が丁寧であると思うのですが、今後どんどんと日本経済が低迷していき、給料が下がる反面、物価が上がっていく苦しい状況に直面した時、もしかしたら日本にもチップ制度のようなものがどこかで現れたりする未来があるのかなと考えたりもしました。文化面で日々、違いが発見できるので非常に考えさせられます。