令和元年度滋賀県立大学シーズ発表会を開催しました

2019年11月19日

滋賀県立大学では、教育、研究に加えて社会貢献を柱に掲げ、積極的に産学連携を進めています。企業・関係団体との交流を図り、共同研究・連携を更に発展させるために、令和元年10月23日に、「令和元年度滋賀県立大学シーズ発表会」を大学サテライト・プラザ彦根で開催しました。

今年度のシーズ発表会は、県大Techサロン「エネルギー環境サロン」におけるエネルギー環境材料分野・エネルギーと動力分野・流体工学分野・パワーエレクトロニクス分野の4分野から4名の教員による研究シーズを発表しました。県内外の企業関係者を中心に31名の参加をいただき、基礎から実用化に関する多くの熱心な質疑が交わされました。

1.エネルギー環境材料分野

工学部材料科学科の秋山准教授が、光の高効率利用を目指した金、銀ナノ粒子ナノ構造の開発と構造評価、特性評価およびフラーレン重合体の創製と有機太陽電池への応用研究に関する発表を行い、金、銀ナノ粒子の合成から有機太陽電池への組み込み、酸化チタン光触媒の金ナノ粒子による可視光応答化、フラーレン-ジアミン付加体微粒子膜を用いた有機太陽電池への応用などが紹介されました。

2.エネルギーと動力分野

工学部機械システム工学科の河﨑准教授が、エンジン排気からのCO2分離回収技術の発表を行い、パリ協定からの道筋、2040年エネルギー需要予測、CO2回収・利用・貯留技術、2030年頃までの技術動向とコスト予測、化学吸収法と膜分離法それぞれの実験装置、CO2回収率、回収に要するエネルギーのデータ比較、ガスエンジン排気からのCO2分離回収における化学吸収法と膜分離法それぞれの可能性と今後の課題が紹介されました。

3.流体工学分野

工学部機械システム工学科の南川教授が、流体工学分野の取組としてマイクロバブルによる水質浄化と植物栽培への適用について発表を行い、小規模な水域へのマイクロバブル適用による水質浄化技術は、完成しつつあるが、大規模で深度の大きい閉鎖水域への適用は、まだ十分な技術が確立されておらず検討中であること、マイクロバブルを用いたホウレンソウとコマツナの水耕栽培の条件と効果が紹介されました。

4.パワーエレクトロニクス分野

工学部電子システム工学科の坂本准教授が、未だ利用できていない熱音響現象を応用した有害な冷媒の要らない熱エネルギー有効利用システムについて発表を行い、可動部の無いシンプルな熱音響システムの製作例(太陽熱駆動化、低温度化、低周波化)、理論と実際温度データの一致、スタックの材料、構造、表面処理、断熱デバイス・発電デバイスの探索などの課題が紹介されました。

最後に名刺交換会を開き、企業関係者を中心とした参加者と本学教員との交流を図りました。

発表会

<発表会>

名刺交換会

<名刺交換会>