大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程の福本浩哉さんが、平成30年度磁性流体連合講演会で発表し、 優秀講演賞を3年連続受賞しました。

2018/12/27
 

優秀講演賞を3年連続受賞(大学院材料)

 本表彰は、磁性流体連合講演会(2018年12月6-7日 株式会社イチネンケミカルズ 研究開発センター)において研究発表を行った若手講演者の中で、最も優秀な発表者に対して贈られるものです。

<講演の概要>

著者:福本浩哉、間宮広明、ジョン・クヤ、鈴木 一正、宮村 弘、バラチャンドラン・ジャヤデワン

題目:「サイズ・形状を制御したマグネタイトナノ粒子の合成手法開拓および結晶成長機構」

■発表内容について
マグネタイトナノ粒子(MNPs)は医療分野において磁気温熱療法への応用が期待されています。しかし、MNPsのサイズと形状が磁気特性へ及ぼす影響について完全には解明されていないため、実験と臨床応用での物性値にはギャップが生じています。この物性値の違いが懸念され、ヨーロッパ以外の国では、がん治療に対して磁気温熱療法は臨床的にほとんど利用されていません。本研究では、MNPs合成機構における粒子サイズ・形状に影響を与える因子の解明を行い、異なるサイズの球状、キューブ状、八面体状のMNPsの作製に成功しました。また、得られたMNPsの表面をシリカで被覆し、MNPs間の磁気双極子相互作用の無い状態における磁気特性の測定を行なった結果、磁気特性はサイズ・形状に大きく依存することが確認されました。本研究成果は、磁気温熱療法に適したマグネタイトナノ粒子の設計につながり、臨床応用への発展および実用展開が期待されます。