FD研修会「授業の基本研修会 ―授業の基本と授業づくり―」を開催しました

2017/08/24

 2017年8月10日(木)、本学ではFD活動の一環として「授業の基本研究会-授業の基本と授業づくり-」を開催しました。この研修会は、関西地区FD連絡協議会の共催事業となっており、滋賀大学、京都学園大学、梅花女子大学からもご参加いただきました。

 今回の研修会は、この4月から着任された新任教員向けプログラムとして開催され、「授業の基本と授業づくり」のタイトルのとおり、授業を行う上で必要となる基本的なスキルや心構えを中心に、3つのプログラムを実施しました。研修会の構成と概要は次のとおりです。

第1講 授業の基本① ―基本の基本― (10:00~12:00)

 倉茂先生による実践を通して、良い授業を行うためのテクニック、授業展開について具体的な講義を行いました。

●テクニック

〔口調〕

 ・ 腹式発声法を意識

 ・くちびるを動かし滑舌良く
 ・5m先の床に声をたたきつけるように
 ・間を取る
〔視線、動き〕

 ・全体を見る
 ・机間に入り、黒板の前から離れる
〔黒板の使い方〕

 ・ 左上から順序良く
 ・部屋の広さに応じた文字の大きさを意識して
 ・カラーチョークを使い分ける
 ・チョークは第一指から第三指で持ち、第二指で筆圧をかける

●授業展開 具体例を使う
 ・”ヤマ”(授業を通してこれだけは伝えたいというポイント)を明示する
 ・授業の冒頭の”つかみ”ではその日何を学ぶのか示す
 ・経験に基づいた発問(教師が学生に問いかけること)・グループワークを行う

第2講 授業の基本② ―授業展開上の罠― (13:15~15:00)

 陥りやすい授業として一番多いのが、具体的な事例を示さずに総じて結論だけを大きく取り上げてしまうことが指摘され、こうした「結論大好き症候群」、「具体性欠乏症」に陥らない方法として、学生に興味を持たせるための授業パターンを具体的に提示しながら、授業の目的に沿った効果的手法について講義を行いました。
 また、教材研究の重要なポイントとして、興味を引くための導入”つかみ”と、授業を通してこれだけは学ばせたいというポイント”ヤマ”をどのように落とし込んでいくのかについて説明がありました。
 参加者から「基礎項目やここまでわかってほしいという項目が多くなって、詰め込みがちな授業になってしまう、どうすれば良いか?」、「原理とは抽象的なものであり、具体例が挙げられない。原理を理解させるのに時間がかかってしまう。」などの具体的な質問があり、これに対し「ビデオクリップを作って予習させ、講義の冒頭で点検、チェックすれば良い。」というアドバイスを行いました。

第3講 授業づくりワークショップ(15:15~17:20)

 第1講および第2講で学んだ授業づくりのスキルを生かして、実際に「おいしい野菜炒めの作り方」をテーマにそれぞれのグループで授業構成を考え、模擬授業を行い、実践を通してテクニック、授業展開の方法を学びとってもらいました。それぞれのグループでネット動画を利用したり、ペアごとにテーマを変えたペアワークを行ったりと工夫が見られました。

 参加者からは「授業に対する意識がガラっと変わった、学生をひきつけるスキルをどんどん生かしていきたい」、「こうすれば学生が食いつくだろうなと何となく考えていたことが理論的に正しいとわかり参考になった」、「授業は教員の自己満足になってはならず、学生が理解して満足してもらうものでなければならないと再認識した」という感想が聞かれました。また、宿題や課題の出し方、効果的なパワーポイント資料の作り方について知りたいという積極的な声もいただきました。

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