産学連携センター/平成29年度滋賀県立大学新シーズ発表会を開催しました。(11/22)

2017/12/15
 

 滋賀県立大学では、本学教員による研究シーズをご提案する場として今年もシーズ発表会を開催しま

した。本年度は、新しく始まった県大Techサロンの「物質創生サロン」の研究シーズ を本学5名の教

員によるそれぞれの取り組としてご紹介致しました。多くの皆様のご参加ありがとうございました。

以下に、開催の概要をご紹介いたします。

日時:平成29年11月22日(水)14:00~17:10
場所:大学サテライト・プラザ彦根 B・C教室
主催:公立大学法人滋賀県立大学
共催:滋賀県

新シーズ発表会次第
(挨拶) 産学連携センター長   山根 浩二
(シーズ発表) テーマ「物質創生Techサロン」
 ① 「固体蛍光材料への応用に向けた、溶液プロセスによる
          蛍光ナノ粒子の複合化および構造設計」
   <工学部 材料科学科>       助教 鈴木 一正
 ② 「ガラスの脆さ(もろさ)の評価技術」
     <工学部 材料科学科>        准教授 吉田 智
 ③ 「精密ラジカル重合を用いた刺激応答性ゲル材料の設計」
   <工学部 材料科学科>              助教 伊田 翔平
 ④ 「Sonic-IR法による欠陥の非破壊検出」
   <工学部 機械システム工学科>    教授 田邉 裕貴
 ⑤ 「酸素プラズマプロセスによる低温での物質表面酸化の試み:
     特に光触媒効果を持つ酸化チタン形成への応用に向けて」
    <工学部 電子システム工学科>     教授 栁澤 淳一 
 ・名刺交換会

【概要】
  今年度の新シーズ発表会は、5名の教員による物質創生Techサロンに関するシーズとして金属

 材料分野・セミックス材料分野・高分子機能設計分野・材料力学分野・デバイス工学分野の5分野

 からご紹介しました。県内外の企業関係者を中心に静岡県からの参加者もありました。

① 工学部材料科学科の鈴木助教から、金属材料分野の取組としてナノ材料分野からバルク材料分野に
関する物質創生の研究をご紹介しました。その中でゾル-ゲル法による溶液プロセスにて高効率・波
長可変な固体蛍光材料の開発、C-dots金属酸化物ナノコンポジット材料の開発、C-dots-ZnOマクロポ
ーラスナノコンポジット薄膜の作成を発表させていただきました。

② 工学部材料科学科の吉田准教授から、セラミックス材料分野の取組としてガラスの脆さ(もろさ)
の評価技術についてご紹介しました。その硬いが壊れ易いガラスの性質を脆さの尺度で評価したいが、
その評価法自体が確立されていないことに着目して、評価技術を開発しました、顕微鏡弾性法による
応力評価技術、押し込み直接観察装置(顕微インデンター)による押し込み「その場」観察を説明し
ました。この評価法によりガラスの応力分布やクラック発生挙動が評価できることをお伝えしました。

③ 工学部材料科学科の伊田助教から、高分子機能設計分野の取組として精密ラジカル重合を用いた刺
激応答性ゲル材料の設計についてご紹介しました。均一な網目構造への取組から、末端架橋による自
己修復ゲルの設計や活性エステル末端架橋をご説明し、モノマーの組み合わせによる温度応答性の設
計をご説明しました。

④ 工学部機械システム工学科の田邉教授から、材料力学分野の取組としてSonic-IR法による欠陥の非
破壊検出をご紹介しました。非破壊検査の従来法では発見困難な欠陥の発見をSonic-IR法で解決する
仕組みをご説明しました。広範囲に内部欠陥にも適用でき、閉口欠陥やはく離検出へも応用可能であ
ることをご紹介しました。
⑤ 工学部電子システム工学科の栁澤教授から、デバイス工学分野の取組として酸素プラズマプロセス
による低温での物質表面酸化の試みをご紹介しました。半導体製造で培った技術を活かして、熱プロ
セスを用いないで酸素プラズマ処理のみにより常温でのSiおよびTi表面の酸化を行う技術の可能性を
説明いたしました。

シーズ発表会終了後、会場にて名刺交換による各発表者との交流が行われました。

シーズ発表会 会場写真

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