材料科学専攻の奥野敬裕さんが第71回高分子学会年次大会優秀ポスター賞を受賞しました

2022年07月12日

大学院工学研究科材料科学専攻博士前期課程2回生の奥野敬裕(おくのたかひろ)さん(指導教員:伊田翔平講師)が、第71回高分子学会年次大会で優秀ポスター賞を受賞しました。高分子学会年次大会は公益社団法人高分子学会が主催する三大行事のひとつであり、今回は5月25日〜27日にオンライン開催されました。今回、約600件のポスター発表の中から、予稿原稿の内容による第一次審査、当日の発表をもとにした第二次審査を経て、53件の学生優秀ポスター賞が選出されました。

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発表内容について

発表者:◯奥野敬裕、伊田翔平、鈴木一正、竹下宏樹、大山雅寿、中島啓嗣、金岡鐘局

題目:熱に応答して力学特性および蛍光特性が同時に変化する架橋ドメインゲルの創成

発表の概要:

イカやタコなどの生物は、筋肉を収縮/弛緩させることによって体の色を変化させています。人工の材料でもひとつの刺激を与えた時に強さや色など、複数の特性を同時に変化させることができれば、自然界で見られる卓越した機能に近づくことができるとともに、新規センサーなどへの応用も期待できます。

本研究では合成の仕方を工夫することにより、水を多く含んだ柔らかい高分子材料である「ゲル」の内部に、温度変化を感知して性質を変化させるナノ構造を均一に組み込みました。さらに、蛍光を発するナノ炭素材料であるカーボンドットとの複合化を行いました。得られた新しいゲル材料は、加熱に対して強くなるとともに、低温の時よりも明るい蛍光色を示しました。

なお、奥野さんの研究の一部は、英文学術雑誌Polymer Chemistry誌(英国王立化学会発行)の6月21日発刊号に掲載されています。また、本研究は滋賀県工業技術総合センターとの共同研究の成果であり、滋賀県立大学教育研究高度化促進費の助成を受けて得られた成果です。

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(写真:右が奥野敬裕さん、左が伊田翔平講師)