大学院環境動態学専攻の小杉亜希さんらの研究発表が第5回メタロミクス国際シンポジウムにおいて優秀ポスター賞を受賞しました。

2015/09/16
 

 大学院環境科学研究科環境動態学専攻博士後期課程の小杉亜希さん(指導教官 原田英美子准教授)らの研究が、The 5th International Symposium on Metallomics(第5回メタロミクス国際シンポジウム、2015年9月9日~12日、中華人民共和国北京市にて開催)」においてPoster Award(優秀ポスター賞)を受賞しました。本賞は63演題のポスターから特に優れた6演題に対して贈られました。

 

■研究発表の概要

著者:

Aki Kosugi, Chiaki Nishizawa, Akira Kawabe, Emiko Harada

 

題目:

「Heavy metal accumulation and vegetation ecology in allotetraploid Arabidopsis kamchatica subsp. kawasakiana

 

講演の内容について: 

 タチスズシロソウ(Arabidopsis kamchatica subsp. kawasakiana)は琵琶湖の湖岸にみられるアブラナ科の植物で、絶滅危惧種に指定されています。タチスズシロソウは重金属集積植物であるハクサンハタザオ(A. halleri subsp. gemmifera)と、類縁の非集積性植物A. lyrataが種間交雑することにより生じた植物です。野外でタチスズシロソウを採集し分析したところ、高濃度の亜鉛を葉に蓄積しており、ハクサンハタザオと同様に重金属集積性を持つことがわかりました。この研究成果は植物の重金属集積に関する興味深い知見であり、絶滅危惧種であるタチスズシロソウの保全にも活かすことができると考えられます。

 メタロミクス国際シンポジウムは、生体を構成する元素、特に微量金属元素の機能と役割を体系的に解明することを目指す国際学会で、2年に一度開催されます。本発表は、京都産業大学総合生命科学部・河邊昭准教授の研究チームとの共同研究で得られた成果です。

賞状