環境科学研究部客員研究員の中西康介さんが日本環境動物昆虫学会奨励賞を受賞しました

2015/12/17
 

 このたび、環境科学研究部客員研究員の中西康介さんが日本環境動物昆虫学会奨励賞を受賞しました。

・日本環境動物昆虫学会奨励賞

 この賞は活発な研究活動を行い将来の進歩発展が強く期待される若手研究者に贈られるものです。日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞者として本学環境科学部客員研究員の中西さんが選ばれ、2015年11月28日に開催された年次大会総会において受賞講演を行いました。

・受賞研究:

 水田水域における止水性水生動物群集の生態学的研究

・研究内容について

 本研究は、水田やため池などの水田水域における生物多様性維持機構を、動物プランクトン、昆虫、魚類、両生類などの水生動物を網羅した群集生態学的アプローチによって解明したものです。安定した水環境であるため池と、不安定で一時的な水域である水田を対比しつつ、近年、環境配慮型農法として注目されている冬期湛水田での群集解析を行いました。その結果、冬期湛水田で、水生動物群集の個体数や種多様性が増加する一方、ドジョウやニホンアマガエル、アカトンボ類などの一部の種は著しく減少することを明らかにしました。このメカニズムを湛水開始時期を操作した水田での野外実験によって解析し、湛水開始時期の早い水田で動物プランクトンの発生パターンや組成が変化することや、大型捕食者が増えることを示しました。

 本研究の成果は、環境保全型農業に関しての生態学的な評価となり、水田水域における生物多様性保全への応用が期待されます。

賞状
受賞風景