JID賞NEXTAGE部門において、環境計画学専攻 陶器研究室の大石さんが奨励賞を受賞し、生活デザイン学科 佐々木研究室の学生グループが入選しました

2025年12月2日

JID賞(日本インテリアデザイナー協会主催)において、大学院環境科学研究科環境計画学専攻 陶器研究室の大石さんがNEXTAGE部門の奨励賞を受賞し、人間文化学部生活デザイン学科 佐々木研究室の学生グループの作品がNEXTAGE部門入選作品として選ばれました。

JID(日本インテリアデザイン協会)は1958年設立の歴史ある団体で、JID賞は、これまで数々のインテリアデザイナーが受賞してきた賞です。

生活デザイン学科佐々木研究室では京都文化博物館で行われた、SDGsの取り組みに関するファッションショーの空間デザインを行いました。

環境計画学専攻 大石親良さん(奨励賞受賞)

受賞内容

作品名称

Hino tiny oven hut

受賞者名

大石親良(滋賀県立大学大学院 陶器浩一研究室)
共同制作:川﨑 爽・妹尾 隆誠・森田 朝稀・植松 時右・林 洸宇

クライアント

ジビエ商店かやき(滋賀県日野町)

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作品概要

2022年から行っている日野町での地域活動の中で、地域資源であるジビエと食を通じた文化活動を行える小さな場所づくりを、身の回りのありふれたもので構築した。
日野町での活動や改修で得た廃材やストック材等の資源を活用して建築の架構を形成することとして設計をはじめ、過去の改修だけでは集まっていない資材を日野町内の廃材や使用する予定のない材木などを集めながら、資源収集と設計が進行した。
収集した古材は、木工や建築現場から出た端材も多く、寸法にばらつきがあるため、比較的短い木材をレシプロカル構造の持ち送りアーチのような架構形態で空間を創出した。
また、学生が手作りで行える範囲の技術と接合部に限定して工法を考えて施工を行った。ビス配置や接合部を工夫し、架構構造材はメンテナンスを行いながら取り換え可能としており、エイジングに対する配慮をしている。
甲冑のように葺いた4層の屋根は、上2層を常設、下2層を仮設としている。雨雪の際は全ての屋根で焼窯を守るシェルターとして機能し、好天の際は下2層の屋根を外して横さんを現しとして、ジビエの毛皮や野菜の干場として日常生活の中で道具のように機能する計画とした。また、屋根層間のスリットは焼窯の排煙の役割も担う。
本設計と活動の意義として、日野町内外において関わりのなかった人たちが、「出来事」と「もの」を通じて緩やかに繋がり、共生関係になりつつあることである。

用途・機能

焼窯に対する上屋・交流拠点・コモンズ

所在地

滋賀県蒲生郡日野町安部居

敷地面積

1357.60㎡

建築面積・延床面積

12.60㎡

生活デザイン学科 学生グループ(入選)

受賞内容

作品名称

「私たちのSDGs2024」EWC FASHION SHOW

作者名

佐々木一泰、綾部 仁子、橘 憂乃、日敷 佳奈(滋賀県立大学生活デザイン学科 佐々木研究室)

クライアント

「私たちのSDGs2024」EWC FASHION SHOW(日本繊維機械学会・繊維リサイクル研究会、私たちのSDGs2024実行委員会)

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作品概要

この展示什器は、2022年からはじまった繊維廃材を使用したイベントで制作したものである。今回ここで求められたのは、2日間という短い期間で、ファッションショー、展示、ワークショップ、講演会と、さまざまに変化する場所である。そこで提案したのは、会場中央の島に展示什器を設置し、そこにまるで家での生活のように、ハンガーに吊るされた服を引っかけ、またそこから外して着替えていく、そんな日常を感じられる什器を設置することである。ふたつの島はL字型の平面を持ち、そこに斜めに梁を通すことで、床のあるところと無いところをつくり出し、高さの異なる衣装の展示に対応している。上部構造は、材料として、主に梱包材に用いられ、挿し木植林から世界各地で木質資源の枯渇対策に役割を果たすポプラLVLを使用した。また出来るだけ製品としての長さをそのまま使用し、イベント終了後に転用できるようにしている。 また、それ以外の材料も舞台製作用の仮設箱台を用いて設置することで、全体でのゴミゼロ化、ゼロウィストを実現している。このように、非常に簡単な造作や構成であるが、構法や使用する材料も、環境循環型の設計とし、誰もが自由に参加できる、繊維廃材の循環を意識する展示であることを心がけた。

用途・機能

展覧会ディスプレイ(空間構成、什器デザイン・制作)

会場

京都文化博物館別館(京都市中京区)

会期

2024年9月12日(木曜日)~13日(金曜日)(二日間、設置・撤収込)

会場面積

255㎡

什器面積

14.58㎡