環境動態学専攻博士前期課程の夏原稜さんが日本きのこ学会第28回大会で学生優秀発表賞を受賞しました

2025年9月4日

2025年9月2日〜3日に群馬県高崎市で開催された日本きのこ学会第28回大会において、本学大学院博士前期課程の夏原稜さんが「学生優秀発表賞」を受賞しました。

この賞は、学生による口頭発表の中から、特に優秀と認められた発表に贈られるものです。今回の大会では、審査対象となった学生口頭発表13件のうち4件が学生優秀発表賞に選出され、夏原さんの発表がその一つに選ばれました。

発表内容

題目

pkac1遺伝子破壊がヒラタケのリグニン分解に与える影響

発表者

夏原稜、本田与一(京都大学)、上辻久敏(岐阜県森林研究所)、住田卓也、泉津弘佑、入江俊一

概要

食用きのこヒラタケやシイタケは白色腐朽菌でもあり、木質などのリグノセルロースを単独で完全に分解可能です。その分解機構は未解明ですが、未利用植物資源の有用資源への変換に利用することが期待されています。本研究では、リグノセルロース成分の中で最も難分解性であるリグニンの分解に対してプロテインカイネースA触媒サブユニット遺伝子pkac1が与える影響を調査しました。pkac1を破壊したヒラタケのリグニン分解量は減少し、pkac1を再導入したら分解量は元に戻りました。さらに、pkac1を破壊したヒラタケのRNA-Seq解析を行い、木質分解に関与する新規遺伝子群を明らかにしました。本研究結果は食用きのこを用いた未利用植物の加工技術開発に貢献すると期待されます。

※本研究は、本学の入江俊一、泉津弘佑、住田卓也および京都大学と岐阜県森林研究所との共同研究になります。

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