高梨ゼミ
高梨克也ゼミ(心理系)
(1)関心領域
人は一方で「会話」を通じて他の人と関わり,他方では「身体動作」を通じて周囲の物と関わりながら暮らしています.こうした日常的に極めて身近でありふれた現象であっても,微細に観察していくことによって,人間や社会,環境といったより大きな事象の本質に迫れるというところが面白いところです.行動をビデオに収録してミクロに分析していくことを中心的な研究方法にしたいと考えています.「心理系」という点にはこだわりません.主なトピックについては高梨克也『基礎から分かる会話コミュニケーションの分析法』(ナカニシヤ出版)を見てみてください.
(2)ゼミの進め方
卒業論文を作成する上で欠かせない3つの問いは「何を」「なぜ」「どのように」やるのかだと考えています.3回生の間には,「何を」については各自が「自分ごと」と思えるテーマを見つけること,「なぜ」については文献講読などを通じてそのテーマを研究する学術的・社会的・個人的意義を少しずつ明確化していくこと,「どのように」についてはフィールド調査やビデオ収録,データ分析などのテクニックを知り,体験すること,を目標とします.
(3)これまでの卒業論文例
他大学でのものになりますが,これまでには以下のようなテーマを指導してきました.これらはあくまで参考ですので,「会話」や「身体動作」に関するものであれば,もっとさまざまなテーマを考えていただいて大丈夫です.
- 小集団会話における発話促進のためのファシリテーション
- 「会話のキャッチボール感」を高める要因と対人印象変化への影響
- 宮古島の観光業における島民のリアリティ調査
- 大学野球部における中間管理職としての学生コーチのコミュニケーション
- アパレル接客マニュアルの実行のしやすさに関する参与観察
- 社交ダンススタンダードにおける男女の触覚コミュニケーション
- 日本語母語話者と非母語話者の会話における成員カテゴリーの切り替わり
- 日系企業における仕事の仕方に関する異文化間ギャップ
- ウエイトトレーニング時の身体的メタ認知と他者とのコミュニケーションによる効果
- 教師の非言語行動が及ぼす生徒の受講態度への影響
- 一対多での会話における発話獲得の方法
- 大学生の日常会話における「救済のツッコミ」の効果
- サッカーのゴールキーパーによるコーチングからみるリスクマネジメント
- 子供のピアノレッスンにおける指導場面のマルチモーダル分析
(4)面談の申し込み先
まずはメールにて事前にご連絡ください. メールアドレス: takanashi.k★shc.usp.ac.jp(★を@に変更してご使用ください)