理念と目的

基本理念(滋賀県立大学基本構想から抜粋)

 本学は、学術の中心として、未来を志向した高度な学芸と、悠久の歴史や豊かな自然、風土に培われた文化を深く教授研究するとともに、未知の時代を切り拓く広い視野と豊かな創造力、先進的な知識、技術を有する有為の人材を養成することを目的とする。
 また、開かれた大学として、県民の知的欲求に応える生涯学習の機会の提供や地域環境の保全、学術文化の振興、産業の発展など、滋賀県の持続的発展の原動力として大きく寄与することを使命とする。
 このため、本学は次の視点を基本とした教育研究を行う。

(1) 高度化、総合化をめざす教育研究

 科学技術の進歩、国際化や高齢化などの進展に伴い、新しい社会経済システムの構築が求められている。また、社会のあらゆる分野でのボーダーレス化が進行し、これまでの専門に細分化した知識や技術では解決し得ない新たな課題が発生している。これらに対して、学際的な学術研究の推進と、さまざまな領域にわたる複雑な問題に対して自ら考え判断することのできる創造性豊かな人材の養成が求められている。
 このため、技術の先端化や学術研究の進展に対応した高度で先進的な教育研究を行うとともに、関連する学術研究分野間の有機的連携をはかり、自然科学と人文社会科学を包括した総合的、学際的な教育研究を行う。
 特に、人や技術と自然との関わりについての深い理解力を養うことを重視し、専門性と人間性の統一的な追求をめざす。

(2) 柔軟で多様性に富む教育研究

 高等教育機能の多様化が進む今日、個性や特色ある独創的・先駆的な教育研究が求められている。
 このため、社会の変化に対応しうる柔軟な教育課程と教育研究組織を編成するとともに、基礎学力に加えて応用能力や豊かな人間性を身につけた人材の養成をめざし、学生と教員の人間的な触れ合いを重視した教育を行う。
 また、他の大学や研究所、試験研究機関等との連携を深め、学術研究の交流や共同研究などを多面的に推進する。

(3) 地域社会への貢献

 現在の大学には、真理探求の本来的使命にとどまらず、開かれた大学として地域社会への貢献が求められている。すなわち、大学は、研究成果や学術情報の公開、地域が抱える課題の学問的解明、社会人に対する学習機会の提供など、地域文化の創造や産業の振興にも寄与するものでなければならない。
 したがって、地域の新しい生活文化の創造や産業界の要請に即した実践的な教育研究を行うとともに、施設設備の開放、産学協同の研究推進のほか、公開講座等の開設、リカレント教育などの学習機会の拡充に積極的に取り組む。

(4) 国際社会への貢献

 国際化の波は、産業経済から学術文化、日常生活に至る広汎な領域に及んでいる。そして、大学には、国際社会の一員としての自覚のもとに幅広い国際感覚を身につけた人材の養成と、独創的な学術研究を通して世界の平和と進歩に貢献することが期待されている。
 このため、本学の教育研究においては、視野を世界におき、研究成果の情報発信や外国の大学等との学術交流を積極的に進める。
 また、外国人留学生の受け入れ、留学制度の充実など日常的な国際交流を重視し、国際的視野や感覚を培うことのできる教育研究を行う。

大学の基本的な目標(中期目標から抜粋)

 滋賀県立大学が、地域人材の育成という開学以来変わることのないミッションを果たすべく、その存在意義を増し、広く県民に支持される大学、誇れる大学となることを目指して、次の点を基本に中期目標を定める。

【基本姿勢】

「キャンパスは琵琶湖。テキストは人間。」をモットーに、SDGsなども見据え、世界に通じる地域発のイノベーション(グローカルイノベーション)を志向する。

国際通用性のある教育を通じてグローカルな人材を育成するとともに、県立大学の強みを活かした特色ある研究を推進する。

地域人材の育成や地域課題の解決に向けた取組、産学官連携などを強化し、地域貢献のリーディングモデルとなることを目指す。

大学の教育や研究の成果、学生の活動等を効果的に発信することにより、県立大学のブランド力の向上を目指す。

社会の変革に対応するため柔軟性を持って業務運営の改善を図るとともに、効率的、戦略的な大学運営を推進する。

学部の教育研究上の目的

 滋賀県における学術の中心として、未来を志向した高度な学芸を教授研究し、新しい時代を切り開く広い視野、豊かな創造力ならびに先進的な知識および技術を有する有為の人材を養成するとともに、開かれた大学として、学術文化の振興、環境の保全、産業の進展および人間の健康に寄与することを目的としています。

人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的

環境科学部

環境科学部は、琵琶湖とその周辺地域を主なフィールドとした実践的な環境教育を重視する。これを通して自然環境の総合的理解と問題解決、環境と調和した社会システムの構築、建築を取り巻く環境と地域の課題解決ならびに循環型社会を支える生物資源の適切な制御と管理のための理論と応用力を身につけた、創造性豊かな人材の養成を目的とする。

工学部

工学部は、工学におけるそれぞれの分野において、人と自然環境に調和した新しい科学技術の創造と豊かな社会の構築を目指すために、幅広い基礎学力と高度な専門知識を兼ね備え、我が国および地域の文化と産業の発展に寄与し得る技術者、国際的な視野を持って世界的に活躍できる技術者ならびに社会の多様な方面で高度かつ専門的な知識を必要とする業務等に従事する人材の養成を目的とする。

人間文化学部

人間文化学部は、地域的視点と国際的視点との双方を往復しながら、わたしたちの生活をどのように見直し、どのように持続していくかを考えるための教育を行う。文化の多様性をとらえ、そこに参加していく方法を身につけることによって、それぞれの文化の衣食住環境や人間関係に沿った新たな関係を創造していくことのできる人材の養成を目的とする。

人間看護学部

人間看護学部は、人間の生命に対する畏敬の念をもち、その尊厳と権利を尊重する豊かな人間性を備えた看護職としての資質を培い、生活様式の多様化、医療の高度化等に伴って求められる看護の専門職としての知識・技術を習得し、看護における理論と実践を行うことができる看護職者ならびに地域の特性を理解した上で生活実態に即した看護を創造することができる人材の養成を目的とする。

大学院の教育研究上の目的

 滋賀県立大学大学院は、学術の理論および応用を教授研究し、その深奥を極めて、文化の進展に寄与することを目的としています。また、各研究科の人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的を次のとおり定めています。

人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的

環境科学研究科

人類の生存と持続的発展を可能にする自然環境の保全ならびに環境と調和した地域社会の構築を目指す学際的な研究を展開し教育を行うとともに、複数の専門分野の基本的理解を基礎に、環境科学分野の専門家として高度な専門的知識と技術を有する職業人、大学や法人等の研究機関および企業の開発部門における優れた研究者ならびに行政機関や社会の多様な方面で高度に専門的な知識を必要とする業務等に従事する人材の養成を目的とする。

工学研究科

ものづくりにおいて、人と自然環境に調和した新しい科学技術の創造と豊かな社会の構築を目指して、基礎教育を重視し、先進的な教育研究を行うとともに、工学におけるそれぞれの分野において、幅広い基礎学力と高度な専門知識を兼ね備え、幅広い応用能力をもって我が国産業の発展に寄与し得る技術者、世界の科学技術をリードできる独創性と学際的研究ができる研究者ならびに社会の多様な方面において高度で専門的な知識を必要とする業務等に従事する人材の養成を目的とする。

人間文化学研究科

高齢化とグローバリゼーションが急速に進行する21世紀の新しい時代において、豊かな地域社会と、人間的な生活文化および生活スタイルの創造に寄与する教育研究を行うとともに、前期課程においては、学部教育の到達点を継承しつつ、広い視野と豊かな人間性、積極的な行動力を身につける研究者および専門的職業人の養成を目的とする。後期課程においては、最先端の諸科学が切り開いた地平にたって、高度で専門的な知識と技能を有し、自立して共同の研究を推進しうる能力をもつ人材の養成を目的とする。

人間看護学研究科

少子高齢化、医療技術の進歩、価値観の多様化の中にあって、人命・人権の尊厳に立脚し、豊かな人間生活と地域社会を支える看護と看護学の創造に貢献する教育研究を行うとともに、大学の教育理念を基盤に、豊かな感性・人間性と高度な専門職業人としての倫理観を備え、高等化・専門化していく看護学に要求される知識や技術を的確に修得し、発展させながら、実践の科学としての看護学を探究する研究者および高い能力をもつ高度専門職者の養成を目的とする。

入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)、 教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)、 学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)のほか、学科・専攻ごとの人材養成目的などについては、下記のページからご覧ください。

3つの方針(入学者受入・教育課程・学位授与)