原ゼミ

原未来ゼミ(教育系)

(1)関心領域

 今日、「子ども」から「大人」になっていく過程で、つまずいたり、悩んだり、やり直したりする若者は少なくありません。不登校や中退を経験したり、「ニート」や「ひきこもり」状態になることもあるかもしれません。また、客観的には「問題」を抱えていないようにみえても、どこか生きづらいと感じている人たちも実はたくさんいるでしょう。  そうした人々がよりよく生きるためには、どのような環境や支えがあればいいのでしょうか。担当者の関心は、多くの子ども・若者が豊かに生きられる場や社会を、若者たちと共に考え、つくり出していくことにあります。当事者の方や実践現場とのかかわりを大事に、研究活動をおこなっています。

(2)ゼミの進め方

 前期は基礎的な文献、後期は各自の関心に近い文献・調査等の読み合わせを考えています。また、ゼミ生の関心にもよりますが、滋賀県近郊の子ども・若者支援団体などへのフィールドワークや、当事者・支援者への聞きとりなどをおこなう可能性もあります。  各自が自らの問題関心やテーマに気づき、それを掘り下げ、人に発信する(卒業論文を書く)力をつけていくことがゼミの目標です。研究テーマは、日常的な感覚や違和感などから出発することも少なくありません。自身の実感をスタートに、個人的な問いを社会的事象とむすびつけながら考えていくことに興味をもつ人たちと、一緒に学んでいきたいと思っています。なお、他の教育学ゼミとの合同検討会を定期的に開催する予定です。

(3)卒業論文について

 「教育」という営み、あるいは子ども・若者になんらか関連のあるテーマであるとよいと思いますが、指定はしません。自らの気になる・引っかかるという問題関心の芽を、時にしつこく、育てていくことが大事です。一緒に議論しながら進めていきましょう。

〈卒業生のテーマ例〉

  • ひきこもり経験の受容について ―経験者へのインタビュー調査から―
  • 不可視化する特別なニーズをもつ子どもたち ―「教育困難校」に焦点を当てて―
  • スマートフォン使用が若者の友人関係志向に与える影響
  • 学級における居場所づくり ―生活綴方教育の可能性に注目して―
  • 大学生の就職に対する不安感情の変容 ―文系大学生へのインタビュー調査から―
  • 自己肯定感に影響を及ぼす子ども同士の"つながり"―学童保育での観察から―
  • ユースセンターのロビーにおける人々のかかわりと若者の居場所

(4)面談の申し込み先

面談は事前にアポをとって研究室D2-205へどうぞ。 メール:hara.m★shc.usp.ac.jp(★を@に変更して使用してください)。