平成26年 新年のご挨拶<学生向け>

新年のご挨拶 (学生向け)

 学生の皆さん、明けましておめでとうございます。

 昨年9月末に、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次報告書のための第1作業部会報告書の「政策決定者向け要約」が公表され、世界に強い警告が発せられました。

 「要約」は先ず気候システムの温暖化は疑う余地がないと明言したうえで、海洋上部の水温上昇はほぼ確実(99-100%の確かさ)であることや、300m以深での水温上昇の可能性(66-100%)を指摘し、温暖化と海洋の関わりを強調しています。
 また温暖化の原因は、世界のCO2 累積排出量と平均気温との比例関係を示しつつ、95-100%の確かさで人間活動にあると断じています。さらに温暖化の影響として、海氷と氷河の減少や海面の上昇を認め、陸上の極端な高温と豪雨が頻繁になる可能性を90-100%の確かさで予測しました。

 地球温暖化は気候システムの物理法則に従って確実に進行する現象であり、このままでいくと壊滅的な影響が全地球の人と生物と自然におよびます。私達は専門分野を超えて、CO2排出の抑制、安全なエネルギーの確保、食の地産地消、地域の安全、生活様式の再構築等々に英知を結集し対応していかねばなりません。

 年頭に当たり、この緊急課題に向けて学生の皆さんが真剣に取り組まれることを期待して挨拶とします。

 2014年元旦

公立大学法人滋賀県立大学
理事長/学長 大田 啓一