平成26年 新年のご挨拶<教職員向け>

新年のご挨拶 (教職員向け)

 教職員の皆様、明けましておめでとうございます。新しい年の初めにあたり、ご挨拶申し上げます。

 今年2014年は、本学が開学した1995年から数えてちょうど20年目にあたります。開学時の3学部、7学科、1教育センター、学部学生定員460名の構成は、現在4学部、13学科、学生600名へと拡大しました。大学院も同様に大きくなりました。開学時に掲げた「高度化、総合化を目指す教育研究」「柔軟で多様性に富む教育研究」「地域社会への貢献」「国際社会への貢献」の四つの視点は、今日でも決して時代ズレしておりません。
 20周年の記念式典は来年2015年の開学記念日に実施しますが、記念事業は今年度から開始します。記念事業の具体的な中身は、準備委員会において現在検討いただいています。記念事業の一環として、開学時に掲げた四つの視点で現在の本学をきちんと評価しておくことは大変大事な取り組みであると考えています。

 さて大学を評価するということについてですが、これ自体が20年前にはさほど議論にはならなかったことです。それが今日では当たり前になっており、それも規模よりは「質」の評価が中心になりつつあることは皆様ご承知の通りです。ここでいう「質」は、教育、研究、社会貢献のすべてにおける「内容」と「レベル」のことを意味していますが、強調されるのは「レベル」のほうです。
 レベルを評価するにあたってはなんらかの基準が必要となります。これについては学術会議などで議論されてきましたので、各大学はその議論の結果を参考にしながら学内の分野ごとに基準を作ればいいとされています。

 このような国内基準も大事な参考材料ではありますが、この大学のレベルが国際的に通用するかどうかという基準での判断はもっと重要です。ここに国際的な大学連携を生かすべきです。大学間の教育研究交流においては、単位互換や教育研究情報と人の交流を通して、互いの大学のレベルが判断できるからです。これは貴重な評価機会です。
 それをもっと進めたものが教育におけるダブルディグリーやジョイントディグリーのようなプログラムであり、研究における国際共同研究です。本学はこれら教育プログラムや研究の枠組みに踏み込むべき段階にさしかかっていると私は思います。それだけの力が備わってきたということです。そこで今年はそのための準備にかかろうと考えています。
 情報は順次発信しますので、皆様のご協力をお願いします。

 さて大学の「質」を議論する場合には、「質保証」と「質向上」を区別して理解しておかねばなりません。「質保証」というのは、今日的には、「教育研究・社会貢献において国際的に通用する内容とレベルを維持し向上させる仕組みが大学に備わっていて、機能する状態にあること」を指しています。また「その仕組みが十分に機能して、その結果として経時的に大学機能が向上している状態」、それが「質向上」です。
 「質保証」をチェックするのは大学評価・学位授与機構や大学基準協会のような認証評価機関の仕事です。本学は認証評価を6年毎に受けることにしており、次の受審は2016年に予定しています。一方「質向上」のチェックは、滋賀県が定める法人評価委員会が実施します。こちらの方は毎年受審しなければなりません。厳しく審査されます。
 「質保証」にしても「質向上」にしても、判断材料は教育研究・社会貢献に関する大学構成員の貢献度データです。最近では認証評価機関も法人評価委員会も正確なデータが大学に蓄積されていて、それに基づく自己評価が大学でできる状態にあることを前提にしています。
 教職員の皆様にはデータ集積にご協力いただきたいと思います。

 データ集積の一方で、大学の構成員が自分の大学の現況を理解しておくこともまた大変大事なことです。このために、本学の教学、学生支援、研究、社会貢献などに関するデータ集「数値で見る滋賀県立大学」を、ホームページに掲載することを始めました。
 また教職員にとっては、本学の財政状況を理解しておくことも必要です。詳細は毎年ホームページに掲載している財務諸表を見ればいいのですが、詳細はともかくとして、収入と支出の大枠を把握することはいろいろな取り組みを考える上で有益です。この目的もあって、昨年11月から12月にかけて各学部を回って説明の機会を持ちました。また毎年の予算については、今年から教育研究評議会で説明したいと思っております。財務グループにもそのようにお願いしてあります。
 情報は公開することに意味があります。積極的な情報公開に努めますので、皆様はその情報を共有され十分にご活用下さい。

 教職員の皆様におかれましては健康に十分留意され、本学の幅広い活動に力強く取り組んでいただけることを期待して、年頭の挨拶といたします。

 2014年元旦

公立大学法人滋賀県立大学
理事長/学長 大田 啓一