産学連携センター/平成30年度滋賀県立大学新シーズ発表会を開催しました。

2018/12/12
 

平成30年度滋賀県立大学新シーズ発表会を平成30年11月28日に開催しました。その開催概要についてご報告します。


1.日 時 平成29年11月28日(水) 14時00分~17時00分(受付13:30~)

2.場 所 大学サテライトプラザ彦根 A・B・C教室
   (滋賀県彦根市大東町2-28 アルプラザ彦根6階)

3.主 催 公立大学法人滋賀県立大学

   共 催 滋賀県

4.新シーズ発表会次第
【挨拶】 公立大学法人滋賀県立大学 産学連携センター長 山根 浩二

【シーズ発表】テーマ 県大Techサロン「機能創生サロン」の研究シーズ

① 有機複合材料分野
「 高分子材料の新しい機能創生技術 」
<工学部 材料科学科>  教授 徳満 勝久 准教授 竹下 宏樹

② 機械ダイナミクス分野
「 ブレーキパッドの剛性と鳴き騒音 」
<工学部 機械システム工学科>  准教授 大浦 靖典

③ 生産システム分野
「 仮想環境を用いた技能の解析と訓練システム 」
<工学部 機械システム工学科>  准教授 橋本 宣慶

④ センシング工学分野
「 電磁気現象を利用した非破壊検査における高感度化と傷形状の定量的評価 」
<工学部 電子システム工学科>  准教授 福岡 克弘

(名刺交換会)

【概要】
 今年度の新シーズ発表会は、5名の教員による県大Techサロン「機能創生サロン」に関する研究シーズとして有機複合材料分野・機械ダイナミクス分野・生産システム分野・センシング工学分野の4分野からご紹介しました。県内外の企業関係者を中心に多くの企業様からの参加がありました。

 工学部材料科学科の徳満教授からは、高分子材料の新しい機能創生技術として、ポリシラン添加による機能創生技術の研究をご紹介しました。日本における地震災害からライフラインの復旧の大切さとその中でポリエチレン管の重要性がクローズアップされたことから、ポリシラン研究のスタートから現在までをご紹介されました。さらに同じく高分子材料の新しい機能創生技術として、竹下准教授からブロック共重合体・ミクロ相分離拘束空間における結晶化・液晶化の研究をご紹介されました。こちらはブロック共重合体とミクロ相分離というナノスケール拘束空間での高分子材料の結晶化や液晶化の研究の内容と、構造観察の手法を発表させていただきました。
 次に、工学部機械システム工学科の大浦准教授からは、機械ダイナミクス分野からブレーキパッドの剛性と鳴き騒音についてご紹介しました。構造的に安定なはずの試験機で鳴きが発生したことにより、パッドの剛性が制動圧で変化しているのではと考え、静剛性と動剛性の比較にいたりました。その後の研究により鳴き解析と鳴き対策に至った経緯をご紹介しました。
 次に、工学部機械システム工学科の橋本准教授からは、生産システム分野の取組として仮想環境を用いた技能の解析と訓練システムについてご紹介しました。人間が行う様々な作業を人工現実感による技能訓練用シミュレータを開発することで、訓練の効率化、技能の解明を行うことをテーマにご説明し、機械加工、溶接、歯科診療の事例を動画を交えて詳しくご紹介しました。
 最後に、工学部電子システム工学科の福岡准教授からは、センシング工学分野の取組として電磁気現象を利用した非破壊検査における高感度化と傷形状の定量的評価をご紹介しました。非破壊検査のなかで表面や表層のきずを対象とする、過電流探傷試験と磁粉探傷試験についてご説明しました。過電流探傷試験は検査対象が導体であり、その特徴は非接触で電気信号による高速な表面検査です。一方、磁粉探傷試験は検査対象が磁性体であり、複数の磁化器を用いた回転磁界を発生させることにより、各電流位相での試験体内部の磁束密度分布を測定する。磁粉探傷試験におけるき裂の定量的評価の検証を進めている研究をご紹介しました。

 シーズ発表会終了後、会場にて名刺交換による各発表者との交流が行われました。

 以上

会場写真

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