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HOMENEWS & TOPICS一覧/本学教員・学生が被災地で築いた「竹の会所」が、2014年日本建築学会作品選奨を受賞しました。

本学教員・学生が被災地で築いた「竹の会所」が、2014年日本建築学会作品選奨を受賞しました。

2014/04/22

 

 日本建築学会では、建築に関する学術・技術・芸術の総合的な観点から高い水準を有する建築作品を選考し、採択された作品を毎年1回刊行される「建築雑誌増刊 作品選集」に掲載しています。
 そのうちから特に優れた作品を「作品選奨」として選考し表彰しています。

 「竹の会所」は仮設建築物ではありますが、竹を用いた前例の無い建物であること、被災地での学生たちによる建設プロセス、学生と地域住民の交流のストーリー、外部・内部空間の造形が高く評価されました。

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撮影:堀田貞雄氏

■竹の会所 選評(末尾ウェブサイトのリンク先より抜粋)

 「竹の会所」はストーリーをもった建築である。
 震災1か月後にプロジェクトはスタートする。「集まる場所が欲しい」との住民の声に耳を傾け、仮設の集会所の建設を計画するが、ことはすんなりとは運ばない。当初予定していた敷地が「行政に任せる方がよい」とする住民の反対により使えなくなり行き詰まったところに、敷地提供者が出現する。途中、台風に見舞われながらも延べ70名の学生ボランティアが現地に入り建設作業に携わった。震災後、復興を目的に様々な建築が建設されたが、地元に根付いた作業や関わった人の多さなど、この作品の完成までのプロセスには多くの人たちの思いが込められており、記録すべき素晴らしいものである。
 このように、この作品を巡ってはプロセスに関心が向いてしまうのだが、この建築の圧倒的な特徴は「竹」であり、日本における竹の建築として評価されるべき対象であることは言うまでもない。地域の竹を使用すること、学生が施工すること、すなわち重機を使わず高所作業を避ける施工方法から、この空間構造は規定されている。フレームは細くてしなる竹の特性を生かし、アーチで構成されている。地組で組立てたフレームを立ち並べ、入り口を確保するためにアーチの半径を変化させ、渦巻貝のような形状となった。基礎梁にはまっすぐで太径な真竹を、アーチには肉厚で径の小さい孟宗竹を使用し大きな曲げ耐力を確保するなど、適切な使い分けがなされている。この建築は、法第85条に基づく仮設建築物(集会所)として、確認申請の承認を受け、動的解析に基づく構造計算もされており、十分に合理的裏付けを伴った建築であることも評価したい。
 さらに、実際に訪れてみると「佇まい」がよい。「竹の会所」は気仙沼・本吉町田の沢地区東浜街道の脇、海を臨む場所にある。敷地先端には、今は穏やかな海に向かって一本の松がすくっと立っている。すでに2年半の月日が流れ、主要構造である竹や覆いの膜には風雨にさらされた跡がとどめられているが、朽ちた感じはなく、風景に程よくなじんでいる。また、膜から漏れる光は竹の線材とのコントラストを生み出し、美しい内部空間を創出している。
 プロセスに話を戻そう。現在も「竹の会所」は「たけとも」という名の被災地支援のボランティア団体により維持管理がなされており、私たちが現地に訪れた際にも朽ちた竹の交換を行っていた。近隣に、同じ設計者の手により新たな「竹の舞台」も建設されている。「竹の会所」は仮設建築で今後どうなるかは不明だが、「竹の会所」が紡ぎだしたストーリーはまだ終わらない。
よって、ここに日本建築学会作品選奨を贈るものである。

■2014年日本建築学会賞 各賞受賞者の紹介ページはこちら
 

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