材料化学科

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材料技術の開発を通して自然環境と調和しながら人類の生活を豊かにできる技術者、研究者を養成します。人類の歴史は材料の歴史でもあり、スマートフォンやハイブリッド車も新材料の開発により実現できたものです。講義内容の理解を実験や演習で深めるカリキュラムで、金属・セラミックスなど無機材料から高分子・バイオなど有機材料まで、幅広い材料の基礎と応用を学びます。

人材の養成に関する目的 アドミッションポリシー カリキュラムポリシー ディプロマポリシー

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学びのポイント

水素エネルギーを安全かつ効率的に利用するためには、どのような材料が必要となるでしょうか?水素を安全に貯蔵する材料や、水素だけを効率的に通すことができる材料が必要です。このような材料を開発するためには、広範な材料に関する知識と原子や分子を操る技術、そしてブレイクスルーを達成する斬新なアイディアが求められます。本学科では金属・セラミックス・高分子など、既存の枠を超えた材料開発スキルをもつ材料研究者を育てます。

  • ポイント1

  • 材料化学は環境調和型科学

    地球環境の保全を考えた循環型社会における材料開発のために、さまざまな材料の基礎から応用までを総合的に学びます。

  • ポイント2

  • 実験・実習により知識を自分のものに

    系統的な実験・演習カリキュラムが、基礎科目から専門科目にいたる材料化学の理解を深めます。

  • ポイント3

  • 充実の研究環境で学生一人ひとりが研究者

    4年次では一人ひとりが異なる研究テーマに取り組みます。さまざまな共同研究装置が研究をサポートします。

学びのステップ

1年次~2年次 工学部共通の基礎を学ぶ

材料化学への入門、高校化学や高校物理を基礎に、専門科目を学ぶための基礎を固めます。

実験・演習科目の例 分析・環境化学実験、人間探求学

1年次後期~4年次前期 材料化学の基礎を学ぶ

基礎科目の理解をさらに深め、無機化学や有機化学などの専門科目を学びます。また、発表や討論などを通して、表現能力を身につけます。

実験・演習科目の例 定量・機器分析および同実験、物理学実験、物理化学総合および同演習、有機化学総合および同演習

3年次~4年次 卒業研究に取り組む

基礎科目の知識を基に、種々の材料特性の基礎を学びます。卒業研究では六つの研究分野に分属し、テーマについての問題解決能力や研究成果を伝える力を養います。

実験・演習科目の例 材料科学実験I・II、科学技術英語、先端材料化学、材料計算化学および同演習、卒業研究

専門科目の例

分析・環境化学実験

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定性分析により金属イオンの基本反応を理解し、金属イオンを系統的に分離・確認する操作を習得します。また、重金属イオンを含む廃液の処理方法を学び、実践します。

有機化学総合および同演習

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有機化学に関する演習問題を学生自身が解き、その考え方を黒板で説明することで、有機化学の基礎への理解を深めます。

研究分野

金属材料

鉄鋼や金属材料のミクロ組織を制御する研究

多くの材料は熱処理を経て製造されます。熱処理の過程での「原子の動き(拡散)」によって中身の顔(ミクロ組織)が形作られ、それが材料の強度や特性を決めます。この分野では、金属材料そして酸化物や半導体材料における原子の動きの速さと経路を追跡し制御する研究をします。また、電子ビーム照射やプラズマ環境下で新たな材料を作る研究も手掛けています。

仲村 龍介 教授
宮村 弘 准教授

有機複合材料

高分子材料の構造と物性の基礎的研究

多成分多相系高分子材料の相溶性や粘弾性特性、結晶化・液晶化挙動に関する基礎的研究、ならびに環境と調和し新エネルギー利用に寄与する新しい高分子材料の開発のための研究を行っています。具体的には、高分子フィルムの気体透過性の制御、プラスチック・ゴム材料の劣化特性の解明、特殊構造高分子が結晶化・液晶化に与える効果、高強度・極低温用材料創製等です。

徳満 勝久 教授
竹下 宏樹 准教授

セラミックス材料

電子材料や光情報材料としての無機材料の研究

ガラスは目に見える場所だけでなく様々な電子部品の中などにも使われ、1台のスマートフォンでも20種類以上のガラスが使われています。そこで、光情報処理用や電子材料用ガラスの長期(数十年)耐久性の予測方法の開発、ガラス製の精密部品の製造に必要な物性の解明、非晶質物質の熱物性、共有結合性物質の液体状態の科学や、これらに関連する構造解析の研究を、無機化学、物理化学、固体物理学の立場から研究しています。

松岡 純 教授
山田 明寛 准教授

高分子機能設計

高分子の分子設計とその機能に関する研究

有機合成法や高分子合成法を駆使して、分子構造、高次構造を設計することにより、高分子が潜在的に持っている機能を見出し、その機能発現の原理を活用した外部刺激により制御可能な機能を持つ材料の創生を目指しています。対象としている材料は、おもに、「空間制御型高分子」、「ポリペプチドハイブリッド材料」、「高分子ゲル」、「機能性ナノ微粒子」です。

金岡 鐘局 教授
谷本 智史 准教授
伊田 翔平 講師

エネルギー環境材料

光・量子情報・エネルギー機能物質の研究開発

原子配列が調和した機能物質の設計・合成・評価・応用を通じて、人類・自然環境・社会へ貢献していきます。具体的には、新規太陽電池材料、光・電子デバイス材料、量子コンピュータ用材料、水素吸蔵材料の研究開発などを行なっています。スタッフと学生が目標に向かいそれぞれの得意分野を生かしながら、連携して研究を進めています。

奥 健夫 教授
秋山 毅 准教授
鈴木 厚志 講師

有機環境材料

環境に調和した有機物質の合成と反応に関する研究

環境負荷の軽減につながる有機反応を用いて、多環式芳香族炭化水素分子や複素芳香族分子を合成し、有機半導体・色素・発光体・超分子材料への展開を行っています。また、環境に適合した機能性材料の創成を目指し、新規バイオポリマーの生合成および微生物酵素の触媒反応機構の解析を行っています。

北村 千寿 教授
加藤 真一郎 准教授
竹原 宗範 講師

TEACHER'S VOICE

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自然環境との調和を考えた新規材料開発分野で活躍できる技術者、研究者の育成を目指しています。金属、セラミックス、半導体などの無機材料から、高分子、バイオなどの有機材料と、基礎からSDGsを意識した応用まで幅広い教育と研究を行っています。また、原子や分子を操る化学の知識を用いて、さまざまな材料を融合させる開発分野に必要な知識・スキルを身につけることができる本学科は、令和5年度から「材料化学科」と改称して、再スタートを切ります。

工学部 材料化学科長
北村 千寿 教授

CAMPUS LIFE

STUDENT'S VOICE


撮影時は材料科学科、令和5年4月より材料化学科に変わりました。

工学部 材料化学科
4回生
木村 三士朗さん
(滋賀県立守山高等学校 出身)

一日のスケジュール(例)

8時30分 通学
9時00分 【1限】英語表現法
10時40分 【2限】機器分析Ⅱ
12時10分 昼休み
13時10分 【3限・4限】材料科学実験Ⅰ
17時10分 課外活動

資格・キャリア

取得可能な資格一覧

  • 教員免許〈高等学校教諭一種(理科・工業)〉
  • 甲種危険物取扱者受験資格
  • 毒物劇物取扱責任者資格
  • 社会福祉主事任用資格

※すべての資格は、大学が定める所定の科目を履修し、単位を修得する必要があります。

主な進路 (2020~2022年度)

就職先 京セラ(株)、京セラドキュメントソリューションズ(株)、日立化成(株)、フジテック(株)、古河AS(株) など
進学先 大阪大学大学院、京都工芸繊維大学大学院、京都大学大学院、滋賀県立大学大学院 など