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中国留学レポート(3)

人間文化学部  谷口 理恵さん

中国留学レポート(3)湖南師範大学

8.中国での生活
(1)留学生寮

 湖南師範大学の留学生寮は授業の行われる建物から徒歩5分の近さにあります。近くには安くご飯を食べられる店がたくさんあり、屋台もあります。バス停や郵便局、スーパーも近く、長沙市一の繁華街までバスで15分ほどです。空いた部屋はホテルとして一般の中国人に貸し出しているようなところなので、建物はきれいで、24時間365日管理人がおり、毎日廊下や階段を掃除してくれます。また留学生の生活面を担当している先生方のいる事務室もあります。この事務室には日本語が流暢な先生もいました。部屋は2人部屋で、カードキー式のオートロックなのでセキュリティーも問題ありません。2人分の家賃を払えば、1人で住むことも出来ます。家賃はひと月600元(8000円くらい)で、水道代と電気代は別です。どちらも日本と比べれば、かなり安く済みます。各部屋にトイレ、シャワー、テレビ、冷蔵庫、洗濯物を干せるベランダもあります。洗濯機は一階に何台か置いてあり、1回3元(40円くらい)で使うことが出来ます。各部屋に電話があり、他の部屋や管理人にかけることができます。
 このように留学生寮はかなり快適でした。留学と言うとどんなところに住むことになるのか気になると思いますが、湖南師範大学の場合は心配はいらないと思います。また自分で探して手続き出来るならば、アパートなどを借りて住むこともできます。

留学生寮
留学生寮
寮の部屋
寮の部屋
各国料理を持ち寄って部屋でパーティー
各国料理を持ち寄って部屋でパーティー
寮の近くの風景
寮の近くの風景
(2)お金の問題
 ご存じのとおり、中国の物価は日本と比べて低いです。特に湖南省は内陸部なので、食品や日用品はびっくりするほど安い値段で売っていたりします。ただ服や電気製品などは日本とそう変わらないと思います。もちろんすごく安い物もありますが、そういうものはやはり品質に問題があったりします。値段が高くて品質に問題がある物もありますが。個人差はありますが家賃・光熱費込みでひと月3万円あれば、けっこうなぜいたくが出来ます。夏休みに旅行に行くなどの諸々の費用を合わせても、50万円ほどで1年間生活できると思います。
 またアルバイトについてですが、中国に留学している日本人はあまりアルバイトをしないと思います。物価が安いだけあり、給料、特に学生アルバイトの時給は日本人からすると信じられないくらい安いからです。ただ日本語を教えたり、日本人利用者の多いホテルなどでアルバイトをしている人はいました。

(3)食べ物
安くておいしい店

安くておいしい店

 湖南省の料理は中国でも指折りの辛さで有名です。実際たいていの店で、何も言わなければ大量の唐辛子が入った料理が出されます。しかし「唐辛子はいりません」と言えば、ちゃんと抜いてくれます。混雑時だとうっかり入れられてしまうこともありますが・・・。油を大量に使ったものが多いですが、基本的にはどの料理もおいしかったです。そしてマクドナルドやケンタッキー、そしてちょっと高いのですが日本料理店もあります。また、寮のまわりなどいろんな所に屋台が出ていて、焼き肉や麺類、果物などを売っています。おいしくて安いので私もよく利用していたのですが、こういった店は衛生面があまりしっかりしていないことが多いので、体が慣れるまでは避けた方が無難かと思います。体が慣れてきたら、本当にいろいろな料理があるのでぜひ試してほしいです。名物である「臭豆腐(文字通りすごく臭い焼き豆腐)」も好き嫌いが分かれると思いますが、ぜひ食べてみてほしいです。私は好きでした。

9.中国に来て見えてきたもの
 私が中国に留学して良かったと思う理由の一つに、中国と比べて日本はこんなに素晴らしい!とか、中国はこうなのにそれに比べて日本は・・・とか、どちらかの良さを示すために相手を貶めるのではなく、中国も日本もそれぞれ違う素晴らしさを持っていると自信を持って言えるようになったということがあります。それまで私は「日本」の素晴らしさを語る文章などを見ると、その言葉の裏に中国をはじめとした他国への侮蔑がこもっているような気がして、なんだか気持ちが悪いと感じていました。その一方で、日本と中国などの他国を比較して日本の問題点を指摘する文章などを見ると、日本はそんなに悪い国じゃないと思うけど・・・とやはりあまり気分が良くありませんでした。
 しかし実際に中国に行き住んでみると、明るくおおらかで積極的、エンターテイナーでとても家族思い、一見無愛想だけど仲良くなると驚くほど親切にしてくれる、そんな素直に見習いたいと思える中国人の側面が見えてきました。そして中国の良さが素直に受け止められるようになると、今度は礼儀正しさや思いやりの精神といった日本の良さを、素直に誇れるようになりました。同時に互いの問題点も以前よりは素直に直視できるようになったと思います。

 これまでは「中国」と聞くとまず国としての中国が思い浮かべていました。それが留学後は、友達や学校の先生、いつも行っていた食堂のおじさんの顔が浮かぶようになりました。それは他の国に対しても同じことで、まず同じ教室で勉強した各国の留学生達のことが思い浮かびます。どんな国にも人が住んでいて、私と同じように生きている―――そんな当たり前のことを実感したとき、世界が一気に身近なものになったような気がしました。この感覚を得られたことが、私の留学の一番の成果だと思っています。
長沙一の繁華街
長沙一の繁華街
夏休みに友達と桂林へ
夏休みに友達と桂林へ

10.これからのこと
 第一回で私の留学の動機は中国を理解したかったからだと書きました。一年の留学を終えた今、中国を理解できたとはとても思えません。しかし日本にいたときは知らなかった、中国人の様々な一面を見ることができました。これから先、日本と中国の間に何か問題が起こっても、私はもう中国を単純に嫌いとは言えないと思います。私がこう思えるようになったのは、自分が中国で暖かく受け入れてもらえたからです。
 行く前はいろいろと不安もあった中国ですが、今思い返すと本当に楽しい日々でした。別の日本人留学生の言葉を借りるならば「毎日ディズニーランドにいるみたい」な刺激が味わえました。そして同時にとても落ち着く、のんびりとした時間を過ごすことができました。今度は私が日本にいる多くの外国人に対して、何かする番だと思います。具体的に何をすればいいのかはまだわかりません。しかし日本に旅行に来た外国人にまた来たいと思ってもらえるように、今すでに日本に住んでいる外国人が日本に居場所があると感じられるように、そして最終的には日本を好きになってもらえるように、その手助けをしていけたらいいと思っています。

(2012年4月)

滋賀県立大学

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