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平成28年度入学式式辞(2016/04/06)

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平成28年度入学式式辞

 

 本日ここに三日月大造滋賀県知事を始め来賓の方々をお迎えして、滋賀県立大学ならびに大学院の入学式を挙行し、学部・大学院合わせて756名の新入生を迎えられたことは本学にとって誠に大きな慶びであります。

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

 本日を迎えることができたのは、皆さんの努力とともに保護者やご家族の支えによるものであることを忘れてはなりません。

 

 さて本日入学された皆さん、皆さんが今日から始める大学での学びの目的は何でしょうか。それは社会へ出て、社会で生きていくための準備をすることです。

 では大学での学びは高校までとはどう違うのでしょうか。

 高校までは、授業や試験に出された問題には正解がありました。はっきりした答がある問題が扱われてきたわけです。公式や一般的な解法もあって、それらを当てはめて解いていけば正解にたどり着くことができました。

大学ではどうでしょうか。

 本学で扱われる問題のほとんどに正解はありません。皆さんは正解のない問題に向き合うわけです。場合によっては自分で問題を見つけて、自分で解かねばなりません。

 学部新入生の皆さんは、そのような授業の典型を次の月曜日に早速経験します。「地域共生論」という科目です。これは全学必修科目ですから、皆さん全員が受講します。

 大学ではなぜ正解のない問題を扱うのでしょうか。

 それは、皆さんが卒業後に働く職場や社会生活の中で出会う問題には正解がないからです。それ故に、正解のない問題への対応を在学中に訓練しておこうというわけです。

 

 さて正解のない問題についても、妥当な答えというものは必ずある筈だと考えられています。それを最適解あるいは納得解と呼びます。矛盾が少なくて、大多数の人が納得できる答えだからです。

 では最適解はどうしたら得られるのでしょうか。それには正確な知識、理論、技術と科学的な方法論の組合せが要ります。

 皆さんは全学共通科目、専門基礎、そして専門科目の順に学び、大学院ではその上に高度専門科目を重ねていきます。こうして知識、理論、技術を身につけていきます。これを科学的方法論に従って結び付け、現実問題を解く訓練をします。

 

 その方法論というのは一体どんなものでしょうか。それは次の手順と内容で組み立てられています。

 先ず、複雑で漠然とした問題を整理して、解決すべき事柄は何であるかを把握します。これを問題の課題化と言います。大学院の研究では、研究テーマの設定ということになります。

 次に、知識、理論、技術を総合して、対象としている課題の原因や仕組みを説明できる論理を組み立てます。これを仮説と呼びます。

 三番目に、この仮説を検証するために、調査、観察、観測あるいは実験をします。その結果、仮説が正しいと分れば、最適解として受け入れられることになります。間違っていたら、仮説の検討からやり直します。

 

 大学院で行うことは専門分野の課題についての研究ですが、やり方は同じです。独創性は学部に比べると格段に高く、また研究結果の公表が求められます。

 学部でも大学院でも、目指すのは知識、技術、理論に加えて、科学の方法論を身につけることです。

 これが大学教育の醍醐味です。

 

 さて本学では、県内で実際に起こっている様々な課題が教材になります。

 そのため学生は県内各地に出かけます。そこで多くの人々に教わって課題が何なのかを理解し、また一緒になってその解決に取り組みます。本学の方針である「キャンパスは琵琶湖。テキストは人間。」を実行するわけです。

 今日、地域社会は人口減少、高齢化、過疎化、市街地の空洞化など様々な問題を抱えています。しかし同時に、地域の再生や活性化を目指す取り組みも始まっています。県内企業や事業所も多様な取り組みをしています。

 様々な問題に向きあい、その解決に向けて関係者と一緒に取り組むことは、皆さんにとって大事な学習機会です。

 

 ところでこのような問題は我が国固有のものではありません。韓国や中国などのアジア諸国を始め、世界の多くの国々に見受けられます。

 本学の学生はアメリカやヨーロッパへの長期留学以外に、フィリッピン、ベトナム、インドネシア、タイ、韓国などアジアの交流大学に短期研修に出かけます。短期研修では現地の課題を知り、意見交換してわが国との違いを理解します。友達もつくります。こうして海外から日本や滋賀県を俯瞰する目を養うのです。

 グローバル化が進む今日、これは大変大事なことです。皆さんを待つ職場や地域社会で本当に頼りにされるのは、高い学力、学識、課題解決力とともに、広い視野を持った国際的に通用する人物です。

 本学に入学された皆さんには、全員、国際的に通用する人物に育って頂きたいと願っています。

 

 入学式に際し皆さんの研鑽を期待して式辞とします。

 

 

平成28年4月6日

滋賀県立大学学長  大田啓一

滋賀県立大学

〒522-8533 滋賀県彦根市八坂町2500 TEL 0749-28-8200 FAX 0749-28-8470 

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