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平成28年度滋賀県立大学学位記授与式式辞(2017/03/20)

平成28年度滋賀県立大学学位記授与式式辞

 

 本日ここに、西嶋栄治滋賀県副知事をはじめ、ご来賓の方々をお迎えして、平成28年度滋賀県立大学学位記授与式を挙行できますことは、本学にとって誠に大きな慶びであります。卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また皆さんを支えてこられた保護者とご家族の方々に、心からお祝い申し上げます。

 

 さて、本日学士号を得て卒業される584名の皆さんに、私から尋ねたいことがあります。それは、皆さんを含めて本学の学生に共通する特徴は何でしょうか、ということです。

 皆さんは何だと思いますか。

 これは自分では気づきにくいものですが、私からみますと、本学の学生の特徴は、人と連携して多様な活動ができることだと思っています。皆さんは人とつながり、あるいは人をつなげる力を持っているということです。

 

 その一端を見たのは、昨年の11月11日、本学の学園祭「湖風祭」前日のことでした。学長室の窓から外を眺めますと、お揃いの紅いウインドブレーカーを着たたくさんの学生が湖風祭の準備をしている様子を見ることができました。学生達はいくつかのグループに分かれて、きびきびと作業をしていました。

 後から聞いたのですが、その学生達は湖風祭実行委員会のメンバーで、その数は166名ですが、湖風祭当日には協力者も加わるので、総数200名を超えるということでした。

 湖風祭実行委員会は、春の新入生歓迎行事を終え、夏からは湖風祭の準備にかかって、広告集め、イベントの段取り、パンフレット作成、フリーマーケット出店者の募集などをし、その上で湖風祭前日の準備をします。しかし湖風祭当日は裏方に徹し、表舞台に立つことはありません。また湖風祭終了後は、たとえ雨が降っても、後片付けや清掃をきちんとします。全員、自分の意思でこの活動に参加している全くの自主活動組織ですが、見事な連携で活動しています。

 

 さて、この11月11日には、たまたま大阪のある大学の役員の方お二人が本学を訪問されていました。目的は、その大学で下火になってきた学園祭を再び盛大にするにはどうしたらいいだろうか、という相談のためで、私と副学長が対応しました。

 私達は学長室の窓から見える学生達を指しながら、あの学生達が本学の学園祭を支え、盛りあげている舞台回しですと話しました。これは学生の自主活動であることや、春から晩秋までの活動内容も紹介しました。

 訪問者のお二人は大変感心され、自分の大学にも学園祭実行委員会を早速作りたいが、ついては、その委員会がうまく活動できるコツは何かと尋ねられました。つまり、本学の湖風祭実行委員会が、これほどの活動ができる訳を知りたいということなのです。

 

 私と副学長は、本学には湖風祭実行委員会以外にも学生が活動する多くの取組みがあって、それを通して学生達は人との連携の仕方を身につけていくのだと話しました。そしてその例として「近江楽座」の説明をしました。「近江楽座」の名は、今や、公立大学の間では知らない人はないくらい有名になっています。

 その近江楽座には毎年500名前後の学生が参加し、20余りのグループを作って各地域に出かけます。東日本大震災の被災地にも出かけます。地域の皆さんとは世代を超えて話し合って地域課題を理解し、自分の考えを拡げ、マナーも身につけながら、地域の皆さんとつながりあって課題解決に取り組みます。

 「近江楽座」はまったくの自主活動ですから単位を与えていません。それにも拘わらずこの13年間、参加者は一向に減りません。その理由は、活動を通して自分自身が人として大きく成長できることを実感し、この実感を先輩から後輩に次々と伝えていくためです。勿論、地域の皆さんの温かい協力があってこそのことで、大学として深く感謝しています。

 「近江楽座」の1グループはフィリッピンのタクロバンに出かけて、台風被災地の復興支援を続けています。タクロバンでは現地の皆さんとのつながりを体験しています。

 

 海外に出る点では留学や海外での研修やセミナーも同じで、120余名の学生が在外学習をしています。そのなかで国や文化の違いを超えて、自分の考え方を鍛え、コミュニケーション力をのばして、海外の学生達とのつながりを作っています。

 本学においでになったお二人には、本学学生には人とつながり、また人をつなげることが自然にできるこのような活動があり、これが湖風祭実行委員会の見事なチームプレーの背景になっているのだということをお話ししました。

 本学訪問によって、お二人がたくさんのものを得て大阪にお帰りになったことは言うまでもありません。

 

 さて、本学学生の、人とつながり、人をつなげる力は、社会的にはどのような意味を持つのでしょうか。それは、人と人とが理解し合い、世代を越えて、地域を越えて、国を超えて、文化の違いを越えてつながり、共に生きること、即ち人の共生を実現する力となるものです。

 またこの力こそが、今、いくつかの国で顕著になっている、排外主義や異教徒の排斥、あるいは孤立主義、さらにはこの地ファーストの動きに対して真正面から向き合い、これを乗り越えていく力となります。また皆さんのこれからの職場や地域社会において、いろいろな人との折り合いをつけながら共に生きていく力になると、私は信じています。

 本日卒業される皆さん、皆さんはこのような優れた力を身につけています。

 どうぞ自信を持って生きていって下さい。

 滋賀県立大学はそのような皆さんを社会に送り出すことを誇りに思っています。

 皆さんのこれからの活躍を祈って式辞といたします。

 

 

平成29年3月20日

滋賀県立大学学長 大田 啓一

 

滋賀県立大学

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